■虚脱感漂う2匹に追い打ちをかけるような真っ赤な画面…『スーパードンキーコング2』

 1995年11月に任天堂から発売された、スーパーファミコン『スーパードンキーコング2 ディクシー&ディディー』。本作は主人公のディディーコングとディクシーコングを操作して、ドンキーコングを救いに行くというストーリーだ。

 さて、そんな本作のゲームオーバー演出はなんとももの悲しい。ふわふわと画面上から「GAME OVER」の文字が降りてくる。その後、ディディーコングとディクシーコングが格子窓のある部屋に監禁され捕まっているようなシーンが登場するのだ。

 背中をくっつけてもたれ合い、虚脱感漂う2匹。そこに追い打ちをかけるように、画面が赤くエフェクトで染まっていく。このシーンを見ると、この後2匹がとんでもなくひどい目にあってしまうのではないかと感じてしまう。こんなの子どもじゃなくてもトラウマものだろう……。

 それまでゲーム内で元気に動き回っているからこそ対比が凄い。この絶望的なシーンを見たくないゆえ、必死になってクリアを目指したことを覚えている。

■野球人生の終わりは哀愁漂う寂しさに…『パワプロ』のサクセスモード

 1996年にコナミ(現:コナミデジタルエンタテインメント)からスーパーファミコンで発売されたのが『実況パワフルプロ野球3』だ。令和の今も愛され続ける、言わずと知れた名作シリーズである。

 この『パワプロ3』から、選手育成ができる「サクセスモード」が始まった。「ペナントモード」と同じくらい熱中できるシステムで、最新作にいたるまで長年人気のモードである。

 そんなサクセスモードでゲームオーバーとなるには、いくつかのケースがある。たとえば、1軍などの昇格試験に落ちる場合や借金を重ね続けて返済が滞る場合、重度のケガ、職場からの解雇などがある。また、順調に最後まで進めたとしても、ドラフトで指名されずにゲームオーバーとなることもあった。

 そして、これらの演出はなんとも不穏なものだらけだった。野球人生に幕を閉じうなだれる者、その後、実家のスポーツ用品店の後継ぎとなる者、バッティングセンターや地元の会社などに就職する者など、選手たちの“その後”が淡々と語られる。ひどい時には、なんと消息不明となってしまうこともあるのだ。

 たとえ能力が高くてもゲームオーバーとなってしまうので、逆にプロの世界とは厳しいものだと実感できたといえよう。

 

 ここで紹介したゲームたちのゲームオーバー演出はあまりに印象的で、トラウマとなってしまった人もいたことだろう。いずれもプレイヤーを絶望に陥れる、ある意味で秀逸なものばかりだった。ゲームオーバー演出が凝っているゲームはほかにもたくさんあるので、また次の機会に振り返ってみたい。

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