■感涙必至!ついに結ばれた最終回
桜子はついに東十条と結婚してしまう。しかし、式の当日、怪我をした欧介の容体が急変したという話を聞いた桜子は、式をほっぽり出しウエディングドレスのまま無我夢中で欧介の元へと走った。ついに桜子が、お金よりも大切なもののために動いた感動の瞬間だ。
この出来事を機に、夢の中の王子様が欧介なのだと気づいた桜子は、お金に変えられない大切なものを見つけたと告白をするのだが、傷つくのが怖い欧介は断ってしまう。
そして最終回。欧介は再び自身の夢でもあった数学と向き合い、NYで非常勤講師として働くことに。失恋した桜子は、やり直そうという東十条に別れを告げ、自分と向き合い、心機一転を図ろうとする。
欧介への想いを秘めたまま迎えた28歳の誕生日。佐久間夫婦に呼ばれた桜子は、NYから届いたという絵葉書を受け取るとブリキのカメレオンを持って飛行機に飛び乗った。
NYに渡った彼女は突然の来訪に驚く欧介に、「このカメレオンは私にとってたった1つのものでした。これがなかったら私は一番大事なものにも気づかなかった。これはお金には替えられないんです」とカメレオンを返して去ろうとする。
桜子の行動に気持ちを揺さぶられた欧介は、抑えてきた感情をさらけ出し、「僕はもう逃げません。あなたが好きです。たとえ明日あなたの気が変わったとしても」とついに愛を告白。やっと聞けた言葉に、桜子は「私には見えるんです。10年後も20年後もあなたのそばには私がいる。残念ながら、あなたといると私は幸せなんです」と笑顔を見せるのだった。
お金持ちという目的のため、鎧をまとって誰にも弱さを見せずに生きてきた桜子が、最後に鎧を脱ぎ去り真実の愛を手にしたこのシーンに多くの視聴者が涙したものである。
自分に正直な桜子と消極的なれど思いやりのある欧介は、正反対だからこそ相性がいい。また、今作は桜子に振り回されながらも終始いい人だった東十条、欧介を支えていた佐久間夫婦と粕屋など、脇を固めるキャラも素敵だった。彼らの支えがあったからこそ、二人が結ばれたという側面もあるだろう。
時代が変わっても『やまとなでしこ』の名シーンは色あせない。まさに本作は、何度でも観たい名作である。