■占いつきで小学生に人気だった「おみくじ」缶

 この時代の変わり種ジュースとしては、1991年にポッカ(現・ポッカサッポロ)から発売されていた『おみくじソーダ』も欠かせない。

 この商品の新しさは、缶のフタの部分に運勢の書かれたおみくじが印刷されていたことだ。放送されていたCMには1989年の新語・流行語大賞で流行語部門・大衆賞を受賞した「こんなん出ましたけど〜」のキャッチフレーズでおなじみの占い師・泉アツノさんが出演していた。

 味はパッケージに書いてある通り、いたってシンプルなレモンライム味だが、飲料に、味や効果とは違う全く異なる付加価値をつけたのは画期的だったのではないだろうか。

 そして、そのポッカから2000年に発売された、『おみくじソーダ』の流れをくんだのがヒット商品『それゆけおみくじらソーダ』である。「おみくじ」と「くじら」をかけあわせた「おみくじら」という独自のキャラがパッケージに描かれ、より子どもの心を掴む商品となった。

 なお、従来の『おみくじソーダ』のように缶におみくじが書かれているだけでなく、おみくじらのシールが缶に直接貼られており、おまけとしてついてきたのも珍しいポイントだ。まるで『ビックリマンチョコ』を集めるようなワクワクする感覚が同商品にはあった。

■「鉄骨娘」の流れを汲む「熱血飲料」

 最後に紹介するのは、1991年よりサントリーから発売されていた『熱血飲料』。

 パッケージは白地に赤い稲妻のような模様で、縦書きで大きく「熱血飲料」と書かれているが、これも一目見ただけでは何味かは分からない。

 実際には脂肪燃焼効果などがあるとされるオクタコサノール成分が配合されたスポーツドリンクで、のちに発売された『DAKARA』と似た味、といえばイメージしやすいだろうか(商品パッケージのカラーリングも赤・青・白の三色で同じ)。ネーミングの“熱血”に比べ、スッキリと爽やかな飲みやすい味であることが分かるだろう。

 CMは唐沢寿明さん演じる「奥田古佐典」(おくたこさのり・オクタコサノールにかけている)が熱血飲料を飲んで「熱血キッド」に変身し、悪と戦うというヒーローものだった。

 なお、同商品の前身には1989年に発売しヒットした『鉄骨飲料』がある。こちらは鉄分やカルシウムを配合しており、1995年には特定保健用食品に認定された。勢いのあるネーミングの商品は、店頭に並んでいてもパッと目につきやすいのだろう。

 初見では飲むのに戸惑った(?)、一目じゃどんな味か分からない面白いネーミングの飲み物たち。パッケージを見ているだけでもどこか平成らしさを感じ、懐かしい気分になってくる。

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