![『FF』アクティブタイムバトルに『スーパーマリオRPG』アクションコマンドも「アイデアが斬新すぎ!」固定概念を覆したスーパーファミコンRPGの「画期的システム」の画像](https://futaman.ismcdn.jp/mwimgs/5/a/728w/img_5a165692c2869cbf3b4f39688e92fa9f170200.jpg)
広大な世界を仲間たちと冒険しながら、そこに潜む謎や真実、練りこまれた物語を楽しむ「RPG」。言わずと知れた人気ゲームジャンルのひとつだが、スーパーファミコン(スーファミ)時代には、のちの作品にも大きな影響を与えることとなる画期的なシステムを打ち出した作品が数多く登場した。
今回は、ゲーム業界に大きな衝撃と革新をもたらした、スーファミRPGの画期的システムについて見ていこう。
※本記事には各作品の内容を含みます
■バトルに凄まじい臨場感を生み出したまさに発明…『ファイナルファンタジーIV』ATB
ファミコンで初代作品が登場して以降、壮大かつ幻想的な世界観で多くのファンを魅了してきた『ファイナルファンタジー(FF)』シリーズ(スクウェア/現:スクウェア・エニックス)。
今もなお新たな作品が生み出され続けている人気RPGシリーズだが、なかでも1991年にスーファミで登場した『ファイナルファンタジーIV』は、画期的なシステムの導入でファンを驚かせた。
そのシステムとは、戦闘にこれまで以上の臨場感を生み出した「アクティブタイムバトル(ATB)」だ。
従来のRPGでは、味方と敵が交互に行動を繰り返していく「ターン制」のバトルが主だったのだが、「ATB」はキャラクターそれぞれに専用ゲージが表示され、これが貯まったキャラクターから順に行動に移っていく。
これにより、現実の世界のように敵味方が入り乱れる臨場感あふれるバトルが展開されることとなった。当然、こちらがじっとしていても相手のゲージは貯まっていくため、よりスピーディに状況を判断する必要があり、バトルに独特の緊張感をもたらしてくれる。
ちなみにこの「ATB」、当時開発に携わっていた伊藤裕之さんがターン制のRPGをプレイしている際、寝落ちしてしまった経験から考案されたという。
うっかり眠ってしまった伊藤さんだったが、目が覚めた時「もしこれがリアルな世界だったら全滅してしまう」と、よりゲームのバトルにリアリティを持たせることに着目していったそうだ。
新作が登場するたび、新たな仕掛けでファンを楽しませてくれる『FF』シリーズだが、なかでもこの「ATB」は、RPGに新たな風を巻き起こしたまさに革命的なシステムといえるだろう。
■名作アクションとRPGの見事な融合…『スーパーマリオRPG』アクションコマンド
1996年に任天堂から発売された『スーパーマリオRPG』は、同社から発売されている大人気アクションゲーム『マリオ』シリーズの世界観を下地とした、初のRPG作品だ。
主人公のマリオをはじめ、ピーチ姫やクッパといったお馴染みの顔ぶれが登場する本作だが、特筆すべきはRPG作品でありながらも、本家の持つアクション要素を見事に作中に融合させているという点だろう。
たとえば、マリオが冒険する町やダンジョンなどのフィールドでは、本家にもあったダッシュやジャンプといったアクションが可能で、これを活用することで先へ進める場面も多い。
また、本作で採用されたのが「アクションコマンド」である。攻撃が当たる瞬間にボタンを押したり、技が発動するまでにボタンを連打することで威力が増したりと、戦闘中もプレイヤーは積極的にコマンド入力することで、より有利に立ち回ることができるようになっている。
このシステムにより、これまでのようなコマンドを選ぶだけのバトルから、アクションゲームのようにタイミングを見極め、入力をおこなう独特の臨場感が得られるようになった。
かくいう筆者も当時、マリオのジャンプを連続何回当てることができるか、コマンド入力を必死に練習したものだ。練りこまれたストーリーや個性豊かなキャラはもちろん、本家マリオを彷彿させるアクション要素の自然な取り入れ方は、実に見事といわざるをえない。