■事件の概要と真相
さて、大変死にやすい『ミシシッピー殺人事件』だが、実際の事件はどのようなものだったのだろうか。
まず、チャールズが船内のある部屋で他殺と思われる遺体を発見する。船長のネルソンの話からすると、被害者はブラウンという人物で、この船の共同経営者らしい。
他の乗客は判事のカーター、女性のディジー、ボランティアをしているウィリアム、職業不詳の女性テーラー、未亡人のヘレン、船員のヘンリーの6人。はたして犯人は誰なのか?
捜査を進めていくと、落とし穴が仕掛けてあった部屋のベッドから鍵が発見できる。そして飛んできたナイフをかわしたところで、その部屋を探すと、机から小さな弾丸が見つかる。
そしてウィリアムの部屋のドレッサーからピストルを発見する。チャールズは証拠物件としてピストルを押収するが、ウィリアムを疑うことはしない。そこは銃社会アメリカだからかもしれない。
さらにテーラーの部屋で紫檀(したん)で作られた銃の箱を見つけ、ブラウンの死体のあった4号室の前で銃のグリップを発見する。続々と証拠物件が集まっていく。
おそらく凶器に関するものを別々の場所に分散して保管することで操作の撹乱を狙ったのかもしれないが、そもそもブラウンの死因が銃によるものかすら明かしてくれない。そこは教えてほしいところだ。
そして話を進めていくと船員のヘンリーがブラウンの息子だったことがわかり、調査の結果ウィリアムの部屋で発見された銃から発射された弾丸がブラウンを殺害した凶器だったことが判明する。
さらに捜査を進めていくと、ディジーの部屋でテーラーから預かった手紙を発見する。その手紙は「ゴールデン」という人物あての手紙で、鉱山の採掘証明書も入っている。
ヘンリーに話を聞くと、テーラーの本名が「ベロニカ・ゴールデン」であることがわかり、ヘンリーはゴールデンのことを愛していたということを告白するのだ。
チャールズの推理の結果、ブラウンはかつてテーラーの父親をだまして鉱山の採掘権を奪い自殺に追い込んでいた。さらにテーラーはブラウンに船室に呼び出され、脅されたのだという。その際2人はもみ合いになり、テーラーは銃の引き金を引いてしまったらしい。そう、犯人はテーラーであり、この事件は過去の悲劇が生んだ悲しい事件だったのである。
多くのプレイヤーが迷宮入りとなった事件の結末はこのようなものだった。客室に落とし穴を仕掛けたり、ナイフが飛んでくる仕掛けを作ったのが果たしてテーラーなのかどうなのかは最後まで明かされない。謎が残るところではあるが、船をくまなく探すことで一歩一歩事件の真相に近づいていくドキドキは、やはりアドベンチャーゲームならではの面白さだ。
話を聞く限り乗客同士の人間関係はかなり複雑であることから、もしかしたら他の陰謀も企まれていたのかもしれない。これについては完全に迷宮入りである。