■実写化で「大人」になったアニメ主人公たち

 国民的アニメの中には、企業とのコラボをきっかけに実写映像で大人姿を披露したケースもある。

 ダイハツ工業株式会社の「ミラトコット」のCMでは、『ちびまる子ちゃん』のまる子が大人になった姿が描かれた。これは2018年に公開されたCMで、吉岡里帆さんがちびまる子ならぬ「おとなまる子」に扮し、社会人1年生の22歳になったまる子が車の免許を取るというストーリーが描かれる。小学生時代からの親友のたまちゃんを演じたのは奈緒さん。時を超えても朗らかであたたかな2人の姿にほっこりした。

 2011年から放送されていたトヨタ自動車のCMでは『ドラえもん』のおなじみメンバーの大人の姿が見られた。作中の姿から20年後という30歳ののび太を演じたのは妻夫木聡さん。なかなか免許が取れないのび太や相変わらず音痴なジャイアン、自動車を乗り回すスネ夫、クールな大人になったしずかちゃんなど、意外な姿も見られたシリーズは長く続いた。ファンが何より驚いたのは、ドラえもんをジャン・レノさんが演じていたことだろう。

 『ドラえもん』の実写化はトヨタ自動車のものだけではない。2020年のソフトバンクのCMシリーズでは、堺雅人さんが未来の45歳ののび太を演じたこともある。こちらのドラえもん役はブルース・ウィリスさんが務めている。ある意味、漫画のキャラたちがこんな大人になることはないとは思うが、「if」の世界としてファンにも受けたCMだった。

 一緒に成長してきた国民的アニメのキャラたち……彼らが本当に大人になる瞬間を見届けることはできないだろうが、どんな大人になるのか? と想像するだけでも楽しくなる。

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