■ラスボス・一星龍との頂上決戦
邪悪龍のなかで最強の存在であり、最終ボスとして立ちはだかったのが一星龍(イーシンロン)だ。
彼は「フリーザ編」で“フリーザ軍に殺された者たちを生き返らせる”という、作中でも大きな願い事によって誕生した。冷酷非情な一星龍は、同胞である四星龍を役立たずと見なして容赦なく抹殺。さらにはほかのドラゴンボールをも吸収し、最強最悪の“超一星龍”へと進化する。
対する悟空も超サイヤ人4となり、さらには超サイヤ人4のベジータとフュージョン。“超サイヤ人4ゴジータ”と“超一星龍”の対決は、本作屈指の名場面となった。
そして最後は悟空が宇宙規模の“超ウルトラ元気玉”を放ち、一星龍を完全に消滅させる圧巻のフィナーレを迎えている。
■物語の結末と希望いっぱいのエピローグ
そして「七匹の邪悪龍編」のエンディング、すなわち『ドラゴンボールGT』の最後はさらに衝撃的なものだった。
邪悪龍を倒したあと、復活した神龍は死んだ人々を生き返らせると“これ以上ドラゴンボールを使わせるわけにはいかない”と語り、姿を消そうとする。そして「さあ行くぞ」と神龍が言うと、悟空も「オラ ちょっと行ってくる」とあっさりと神龍の背に乗って旅立ってしまうのだ。
その悟空の姿にベジータやピッコロたちは何かを悟り、そして悟空も「あったけえなあ 神龍の背中」とつぶやきながら静かに目を閉じる。まるでそれは悟空の死を暗示しているようで、悟空の冒険は少し寂しい終わり方をしていたのだ。
ちなみに、エピローグでは少し未来の天下一武道会が描かれている。そこでは悟空・ベジータにとてもよく似た子孫たちが激闘を繰り広げており『ドラゴンボールGT』は希望いっぱいで幕を下している。
アニメオリジナルストーリーが魅力の『ドラゴンボールGT』。とくに「七匹の邪悪龍編」では、ドラゴンボール使用の代償や過去のエピソードとのつながりが描かれており、原作ファンも思わず唸る展開が満載だった。これまでのドラゴンボールの歴史が凝縮されているような特別なストーリーのように思う。
なんとなく本作を敬遠していた方は、この機会に一度視聴してみてはいかがだろうか。