多くの人気俳優を世に送り出してきた「特撮作品」。俳優のイケメンぶりやクールな変身シーン、アクティブなバトルシーンなどは放送のたびに注目が集まる。その一方、これまでに放送された特撮作品には現在大活躍中の女優たちも多数出演し、作中で大きな爪痕を残していた。
特に、美しい女優たちが壮絶な死を遂げるシーンはインパクトが強い。今回は、特撮作品で凄まじい死に様を演じた女優たちを振り返っていく。
※本記事には各作品の内容を含みます
■ホラー感強め!仲間由紀恵さんがミイラに?『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』
平成に公開された劇場版『ガメラ』三部作の完結編となる1999年公開の『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』。突如目覚めた未知の生物イリスと、ガメラ・ギャオスの戦い、それに巻き込まれていく人類の姿を描いており、これまでの作品から雰囲気を変えシリアスさを押し出した作品となっている。
メインキャストを務めていたのは、中山忍さんと前田愛さんである。藤谷文子さんをはじめ、脇を固める俳優陣も豪華。さらに、生瀬勝久さんや伊集院光さんら現在も第一線で活躍する俳優やタレントたちも名もなきキャラクターとして出演している。中でも仲間由紀恵さんは、今なお語り継がれる衝撃的な死に様を見せた。
演じていたのは、川沿いで友人らとキャンプをしていた名もなき女性キャンパー。楽しそうな雰囲気の中、一人の男子を森に呼び出した彼女だが、そこにイリスが現れてしまう。怯えた表情で後ずさりするもイリスに捕まり、ぐるぐると振り回されたあげくに生気を吸われ、一瞬でミイラにされてしまう。
このミイラが、かなりリアルなのだ。仲間さんをモデルに作られたミイラなので、よく見るとうっすら似ている気もするが、このシーンだけ切り取るともはやホラー映画である。
イリスに振り回されるシーンは、チューリップクレーンの先に仲間さんを固定しクレーンのアームを回して撮影したのだとか。当時まだブレイク前だった仲間さんの、体を張った演技は必見である。総出演時間は1分程度だが、仲間さんのフレッシュな美しさとミイラ化という衝撃展開は多くの視聴者の記憶に残るものとなったに違いない。
■石田えりさんが鞭打ちの拷問を受ける『ウルトラマン80』
続いては『ウルトラマン』シリーズの9作目にあたる作品で、1980年4月からテレビ放送されていた『ウルトラマン80』。中学教師として地球に潜入した矢的猛(長谷川初範さん)ことウルトラマン80を軸に、学園ドラマ×怪獣バトルという新たな世界観を描いた作品だ。
同作でひと際存在感を放っていたのが、石田えりさん演じるUGM極東エリア基地所属の城野エミ隊員である。当時20歳の石田さんはかわいらしく、キュートな笑顔とナイスバディに男性問わず多くの視聴者が釘付けになったに違いない。しかし、第43話「ウルトラの星から飛んできた女戦士」でエミは命を落としてしまう。
あるとき、謎の飛行物体を発見し、調査に向かった矢的とエミは樹海をさまよう謎の女性を保護する。矢的だけは彼女がウルトラの星からきたと勘付いたが、本人は記憶を失っており思い出せず。
隊員たちは彼女を「星涼子」と名付けて回復を図りながら身元を探り、回復した彼女はエミに友情の証としてブレスレットをプレゼントした。だが、実は彼女の正体は「ユリアン王女」で、このブレスレットはウルトラの星の王女の証であった。エミはブレスレットを手首に巻いていたことで、ユリアンを追ってきたガラガラ星人にさらわれてしまう。
捉えられたエミは鞭打ちの拷問を受けるが、気丈に振る舞い口を割らない。そして、駆けつけた矢的とユリアンを敵の攻撃からかばうと、槍で貫かれてしまう。ボロボロなはずの彼女がさらに身を挺して仲間を守る姿にグッとくるシーンだ。
死の間際に矢的の正体を知ったエミは、矢的に「あなたは……地球にとって大切な人なのよ」「だからわたし、少しも後悔なんてしていないわ」と告げ、ユリアンにUGMに入って矢的を助けるように頼み命を落とした。
石田さんは後に当時を振り返り、自ら降板を申し出たと明かしている。監督はこの要望を受け入れ、殉職編を制作したのだとか。なお、一時は離脱したものの、最終回にギンギラな衣装のアンドロイドになって再登場している。