ファミコン時代には、ドット絵ながら少年たちのハートをガッチリ掴むシーンが登場したものだ。とくにお色気要素を含んだシーンでは、キョロキョロと親の目を盗みながら、コントローラーを握りしめた人も多かったことだろう。
さて、今回はファミコンで“よくぞここまでやってくれた!”と思える「ギリギリ表現」のゲームシーンを振り返っていきたい。
■地獄に仏とはこのこと? 乙姫や神子が癒してくれる『妖怪道中記』
1988年6月にナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)から発売されたのが『妖怪道中記』だ。横スクロールアクションゲームで、アーケードやPCエンジンでも人気を博した名作である。
「地獄巡り」をするという珍しい趣旨の本作は、お色気シーンもたびたび見られる頼もしい(!?)ゲームとしても知られている。アーケードやPCエンジンと比べるとグラフィックでは劣るファミコンだが、作中登場するギリギリ表現にはドキドキさせられた。
ストーリーは、いたずら好きのわんぱく少年「たろすけ」が、神様により地獄で修行をさせられるというもの。ファミコン独自の設定として「PIOUS(パイアス)」というたろすけの“善の心”を表す数値があるのだが、これにより6種類あるエンディングの内容が変わってくる。
さて、肝心のお色気シーンだが、まずは「神の池」にいる神子を紹介しよう。神子は一糸まとわぬ姿のまま池で入浴(?)しており、たろすけにハートをくれる。このハートは体力がフル回復するアイテムで、かなり重宝する。
神子は腰まである長い髪の毛が特徴で、髪の毛に隠れたボディの、見えそうで見えない感じにドキドキさせられた。プレイ中、妙にソワソワしたのは筆者だけではないはず。まさに“地獄に仏”だろう。
そして、龍宮城では一定以上のパイアスがあると、乙姫がポーズを取りながら踊ってくれる。大人になった今見返してみるとあまりお色気要素とはいえないが、妙に色っぽい乙姫の舞は、当時の筆者ら少年たちにとっては刺激的であった。
さらに、体力が回復できる宿屋「すずめのお宿」で寝ている時、Aボタンを連打をすると、なんと色っぽいポーズの女の子が登場する。当時はどんなゲームでもなぜかボタン連打をしていたので、このシーンを偶然見つけたときには嬉しかった覚えがある。宿屋のために何度もお金を使ってしまったのは言うまでもない……。
■入浴シーンが定番となってしまった?『桃太郎伝説』と『桃太郎電鉄』
ハドソンから1987年10月に発売された『桃太郎伝説(桃伝)』と、1988年12月に発売された『桃太郎電鉄(桃鉄)』は、ともにシリーズ化された人気作品である。ゲーム内容はもちろん面白いのだが、お風呂や銭湯での入浴シーンが定番となっている。
まずは王道RPGの『桃伝』だが、主人公が年齢を重ねていく設定が斬新だった。年齢とともに成長して強くなっていくのは、現実味があるものだ。
そして、この年齢を8歳以下に抑えたまま「希望の都」にある銭湯に入ると、子どもであるためか女湯に入ることができる。「まあ かわいい!!」とお姉さんたちに可愛がられ、真っ赤にのぼせる桃太郎が羨ましい限りである。お姉さんが手に持つタオルがちょっと邪魔なのだが、あの当時は十分にドキドキさせてもらった。
1993年12月に発売されたのが、ゲームボーイ版の『桃太郎伝説外伝』。こちらでは「まるだしの術」を使うと、よりセクシーな女湯を堪能できた。
『桃鉄』も負けてはいない。全国の温泉の物件を買い占めると2人の女の子が入浴しているシーンを見ることができる。もちろん胸などは隠されているが、それでも背中からお尻までの曲線がハッキリと描かれており、画面を見ているこちらも思わず“一眼レフ状態”になってしまう。
本作はボードゲームとして大人気のシリーズだが、条件によって厳しいものはあれど、基本は温泉シーンを楽しむことができる。どちらの作品もファミコン時代にしてはお色気満載の入浴シーンで、いま考えてみても攻めたグラフィックといえたものだった。