■政治力と戦闘力の合計値で「軍師」となって助言してくれる

 配下武将の登場にあわせて、“政治力”や“戦闘力”といった能力値のパラメータも付いた本作。歴史小説や漫画に登場する武将のイメージとは違う能力値もあったが、竹中半兵衛や黒田官兵衛、真田昌幸といった有名武将を手に入れたときにはかなりテンションが上がった。

 この能力値だが、政治力と戦闘力の数値の合計が150以上になると「軍師」となり、行動に助言を与えてくれるようになる。たとえば序盤、織田信長でプレイすると、信長に次いで能力が高い羽柴秀吉が軍師としてサポートしてくれてありがたかった。

 秀吉が軍師となり柴田勝家の行動にダメ出しする場面は、歴史好きならちょっとニヤリとしてしまうところだ。古参の武将でもある勝家は、実際は秀吉と家臣の序列が逆なだけに「黙れ、このサル!」なんて痛烈にやり返されたんじゃないだろうか。遊んでいるとそんな想像も膨らんでしまう。

 これら軍師の助言から、行動にどのような効果があるのかが分かるため、チュートリアルがなかった時代には重宝したシステムだった。

 また、本作では敵の引き抜き(取立コマンド)にもハマった。隣接する城にしか仕掛けられないものの、ここに秀吉を送り込み、何度も有能な武将を引き抜いた。

 シナリオによって武将の能力値が違うことも多く、年代が進んだ「信長の野望」では多くの武将が「群雄割拠」よりも高くなっている。実際に経験を積んで成長していることがうかがえて、それも面白かった。

 

 本作で劇的進化とならなかったのは、全国マップではなかったところだろうか。登場地域が関東から中国・四国地方までとなっており、『信長の野望』シリーズでも人気の大名である島津家や伊達家が登場していない。配下武将などシステムの追加により容量が足りないこともあったようで、これはパソコン版も例外ではなかった。

 ただ、本作で追加された内容は、名作ともいえる続編の『武将風雲録』でさらにパワーアップされていくこととなる。今も続く大人気シリーズ『信長の野望』の骨組みを作ったともいえる『信長の野望・戦国群雄伝』。この機会に振り返ってプレイしてみてはいかがだろうか。

  1. 1
  2. 2
  3. 3