HD-2D版『ドラゴンクエストI&II』でも注目! 実は頼りになる?『ドラクエ2』いま再評価する「サマルトリアの王子」の存在価値の画像
スマホアプリ版『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』 (C)1987,2014 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
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 2024年11月に発売された、HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』。今年は『ドラゴンクエストI&II』の発売も控えているので、待ち遠しく思う往年のファンも多いだろう。

 さて、ファミコン版で初のパーティ編成が登場したのが『ドラクエ2』だった。「ふっかつのじゅもん」の手間を含め、難易度の高い、長い冒険だったものである。そのなかで、なんとも頼りない存在に思えたのがサマルトリアの王子だ。

 序盤はまだしも、中盤以降は扱える装備や呪文も中途半端で火力不足に陥りがち。いつまでも「てつのやり」を装備しているうえ、頼みの「ベギラマ」も習得時期が遅いばかりか、なぜかダメージも低めで、いまひとつ効果が薄い。

 また、蘇生呪文の「ザオリク」を使えるものの、真っ先に死んでしまうことも多く、温存しておきたい「せかいじゅのは」を結局彼に使わねばならないという本末転倒な展開になることも……。後半になるにつれて、もはやプレイヤーをイライラさせる存在となっていった印象だ。

 しかし、そんなサマルトリアの王子でも評価できる点はいくつもある。そこで、ファミコン版とスーファミ版での彼の存在価値を見直していこうと思う。

■初の仲間となったサマルトリアの王子! 感動させてくれたシリーズ唯一の存在

 パーティを組み、集団戦に持ち込めるようになった『ドラクエ2』。前作から大幅にパワーアップされた本作において、もっとも特徴的なのが仲間の存在だった。1対1の戦いだった前作に対し、敵も最初から複数登場するようになっていたので、早くこちらもパーティを組みたいと思ったものである。

 仲間を探すワクワク感、敵のようにパーティを組めるドキドキ感を与えてくれたのが、まさにこのサマルトリアの王子だ。

 彼を見つけるために最初はグルグルと周辺を回らされるのだが、リリザの町にある宿屋で「なんかいる!」と彼を見つけたとき、そして仲間にしたときの効果音には、テンションが爆上がりだった。

 そして、ステータスやどうぐの確認作業ができることが新鮮で楽しく思えたのは、きっと筆者だけではないだろう。「いやー さがしましたよ」なんて言われるものの「こっちのセリフだ!」とはならず、むしろ当時はただただ感動したことを覚えている。

■序盤の回復要員としてはかなり重宝! ローレシアの王子の強い味方

 力の強いローレシアの王子は攻撃力や守備力が高いものの「ホイミ」などの呪文は使えない。肉弾戦のみで戦う、このローレシアの王子のHPを回復するには「やくそう」が必須だった。

 そこでサマルトリアの王子の出番である。彼は「やくそう」を使ってローレシアの王子のHPを回復できるし、レベル1から「ホイミ」を使えるので冒険の序盤ではかなり重宝する。

 ローレシアの王子が「やくそう」を使うターンが不要となるため、攻撃に専念できるのも強みだ。これこそパーティとして、サマルトリアの王子の存在価値がかなり高いといえるだろう。

 とくに当時は、RPGについてまだまだ初心者レベルのプレイヤーが多かったように思う。どの程度ダメージを受けたら回復すれば良いのか手探り状態で、戦い方も人それぞれだった。

 後半におけるイライラ感のイメージが強いので忘れてしまいがちだが、回復要員として連れ歩ける序盤のサマルトリアの王子の存在に助けられたプレイヤーは多かったはずだ。

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