■『ウリナリ』『うたばん』からも名ユニット誕生
続いては、『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』(日本テレビ系)内で結成された2つのユニットだ。
内村光良さん(TERU)、タレントの千秋さん(CHIAKI)、キャイ〜ンのウド鈴木さん(UDO)の3人組からなる「ボケットビスケッツ(ポケビ)」と、南原清隆さん(南々見狂也)、ビビアン・スーさん(ビビアン)、キャイ〜ンの天野ひろゆきさん(天山ひろゆき)の3人で結成された「ブラックビスケッツ(ブラビ)」である。
当初はポケビ結成後に悪役としてブラビが結成され、たびたび「できなかったら即解散」という厳しい条件がつく挑戦やゲームなどでの対決を行っていた。
当時の視聴者にとって思い出深いのが、すごろく対決の敗者となったポケビが、新曲のマスターテープを破棄されたことだろう。その後、新曲の発売を目指して、全国で100万人署名運動が行われた。
そして1998年、ポケットビスケッツ&ブラックビスケッツ・スペシャルバントとして『紅白歌合戦』に出場。『POWER&Timing 大晦日MIX』を披露した。両ユニットは、2023年に特別企画『テレビ放送70年 特別企画「テレビが届けた名曲たち」』に選出され、25年ぶりに『紅白』に出場。テレビでの2組の共演は21年ぶりだった。
曲そのものだけでなく、番組内のあれこれでも楽しませてくれたポケビとブラビ。曲も心に刺さる力強いものが多く、番組を見ていないファンからも支持されていた。
最後は1999年の『紅白歌合戦』に出演した「野猿」だ。1997年に『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)内で放送されていた、『うたばん』(TBS系)のパロディコーナー「ほんとのうたばん」で生まれたユニットだ。
「Kinki Kids」のモノマネをするとんねるずのバックで踊っていた番組スタッフを「野猿」として結成されたのがきっかけで、とんねるずの石橋貴明さん、木梨憲武さんと合わせて計11名がレギュラーメンバー。
メンバーのほとんどが番組スタッフだったが、リリースしたCDは累計300万枚の売り上げを記録し、1999年には『紅白』で『Be cool!』を披露。全身白塗りにアフロのカツラとパンツ姿という、1991年にとんねるずが『紅白』に出場した際を彷彿させる姿で曲を披露し、さらに翌年の『紅白』にも出場している。
バラエティ番組発の企画なのに、いつまでも心に残り続ける名曲たち。彼らの本気度と楽曲の素晴らしさは、けっしてネタではなかったということだろう。