■主要キャラが容赦なく死ぬ…『銀河烈風バクシンガー』
日本の幕末時代を宇宙に移し、新選組モチーフの主要キャラクターが活躍したのが、シリーズ二作目の『銀河烈風バクシンガー』だ。
太陽系で一旗あげるため、「J9」に憧れる若者たちが「銀河烈風隊(別名・J9-II)」を結成し、特別警備隊として反バクーフ(言ってしまえば反幕府)勢力と戦う物語。
主要メンバーの役割やサポート役の人物像などは前作と共通点が多く、担当声優もシリーズを通して同じ人が担当している。
主人公ビリー・ザ・ショットは沖田総司がモデルで、烈風隊局長のディーゴ・近藤は近藤勇、シュテッケン・ラドクリフは土方歳三、佐馬之介・ドーディは原田左之助など「新選組」の隊長格がモチーフになっている。
なお、紅一点のライラ・峰里に明確なモデルはないが、後にバクーフ総将軍ユーリ・カズン・アーウィンの妹と判明する。
ほかにも、地名や人名などは幕末由来になっており、シンザーク・ハイム(高杉晋作)やオズマ・ドラーゴ(坂本龍馬)などはすぐに分かったが、イーゴ・モッコス(西郷隆盛)とケイ・マローン(桂小五郎)は少々ヒネリが利いていた。
そんな彼らが操るロボットの合体シーンは、トンデモないうえに最高だ。宇宙空間でマントをなびかせながら5台のバイク型マシーンに搭乗し、「シンクロン合体だ!」のかけ声とともに、バイクが風船のように巨大化&変形。こうして合体ロボ「バクシンガー」となるのである。
そして烈風隊の面々がどのような結末を迎えるのかは、幕末を知る者ならある程度予想できると思うが、とにかく推しキャラが容赦なく死ぬ。当時、ファンの有志が彼らの死を回避するために署名活動を行ったが、その思いは届かず悲しい最期を迎えてしまった……。