■クリスマスを巡り戦隊とダップの友情を描いた大作『激走戦隊カーレンジャー』
最後に紹介するのは、シリーズ20作目『激走戦隊カーレンジャー』のクリスマス回だ。12月に放送された第41話から第43話までの全3話を使った、クリスマス回の大作となっている。
本作の指揮官ポジションでもあるハザード星人の少年・ダップ。ダップはカーレンジャーたちと過ごす初めてのクリスマスを楽しみにしていたが、カーレンジャーたちはそれぞれの家族のもとへ帰ると言ってちょっとしたケンカになってしまう。そしてその隙をつかれ、ダップは宇宙暴走族ボーゾックに囚われてしまうことに……。
このエピソードでは、ダップの不在により戦いのサポートを受けられないカーレンジャーたちがエネルギー切れを起こして大ピンチになったり、VRVマスターこと正体を隠したダップの父が、ダップを逃がすために敵ボス目掛けて特攻を仕掛けるなど、スリリングな展開が続く。
そして、いよいよ決着となったのが、1996年12月20日放送の第43話「メリー クルマジック クリスマス!!」でのこと。
繰り広げられる巨大ロボ戦のなか、ダップとカーレンジャーたちが互いの絆を確かめ合い、最後は、VRVロボとレッドレーサーが操縦するRVロボの合体技で敵の巨大ロボ3体を殲滅、見事ダップ救出に成功した。
エンディングでは、特攻により死んだと思われていたVRVマスターことダップの父からのクリスマスプレゼントが届き、ダップも一安心。『Merry Xmas! from カーレンジャー』の特別ソングも流れる楽しいクリスマスシーンで締めくくられていた。
今回は、歴代『スーパー戦隊』シリーズ「伝説のクリスマス回」を振り返ってきた。『スーパー戦隊』シリーズのクリスマス回は、奇抜なアイデアや感動的なストーリーが盛りだくさんであった。さらに、クリスマス回は時期的に全50程度放送される40話中盤と、クライマックスにさしかかる話数でもあることから、その裏では物語の核心に迫ったり、敵が戦隊攻略の手がかりを掴んだりと、ターニングポイントとなるような要素もしっかり加えられている印象だ。
現在放送中の『爆上戦隊ブンブンジャー』でも、12月22日にクリスマス回「聖なる夜の届け物」が放送されたばかりだ。クリスマス気分を盛り上げてくれる『スーパー戦隊』シリーズから、今後も目が離せない。