戦隊ヒーローはクリスマスも大忙しだ。『スーパー戦隊』シリーズでは、12月最後の回には“クリスマス回”と呼ばれる「クリスマス」をテーマにしたエピソードが放送されることが多い。
このクリスマス回は、クリスマスを混乱させる敵怪人の攻撃だったり、クリスマスを巡った戦隊内のトラブルが発生したりと、視聴者である子どもたちもヒヤヒヤ、ワクワクする特別なエピソードとなっている。
そこで今回は、歴代『スーパー戦隊』シリーズのなかでもとくに印象的だった「伝説のクリスマス回」を振り返っていきたい。
■プレゼントにムカデ!? サンタを使った恐ろしき作戦『忍者戦隊カクレンジャー』
『スーパー戦隊』シリーズ初、本格的な「クリスマス回」を放送したのは、シリーズ第18作目『忍者戦隊カクレンジャー』だろう。
少し補足すると、それまでにもクリスマスで賑わう街を映したり、パーティシーンがあったりとクリスマスを感じさせる回はあった。しかしそれはあくまで追加要素にすぎず、1話まるまる「クリスマス」をテーマにしたのが本作だ。
その『カクレンジャー』のクリスマス回は、1994年12月23日に放送された「慌てん坊サンタ」である。妖怪オオムカデがサンタクロースたちを利用して世界中にムカデ入りのプレゼントを配ろうと企て、それをカクレンジャーとサンタクロースの息子・チビサンタが懸命に阻止しようとする話となっている。
本編では、世界中のサンタが集まる洋風の城「サンタ城」に潜入する忍者姿のカクレンジャーがシュールで面白く、また、槍を使ってカクレンジャーたちを拘束しようとする超好戦的なサンタや、“サンタ戦隊クロースレンジャー”を鑑賞しているサンタなど、さまざまなサンタがその城で過ごしているシーンも夢があってよかった。
最後は、サンタ城に隠れていたオオムカデが逃走したあげく、追いつめられ巨大化。カクレンジャーの巨大ロボ・隠大将軍の鉄拳ゴッドフィニッシュを受けたオオムカデは「メリークリスマス」と言い残して大爆発、決着となった。
そして、サンタたちは普通のプレゼントを持って無事出発。カクレンジャーたちも雪降るホワイトクリスマスを楽しむという幸せなエンディングとなっていた。シリーズ初の本格的な「クリスマス回」が、シリーズ初の和テイスト戦隊『カクレンジャー』だったのもなんとも感慨深い。
■クリスマスにはチキンでなく鮭を食べろ!『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』
シリーズ初の戦隊同士の対立構造を採用した意欲作、第42作目『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』。そのクリスマス回もかなり奇抜な内容だった。
2018年12月23日に放送された第45話「クリスマスを楽しみに」。ギャングラー怪人サモーン・シャケキスタンチンが登場し、“今年のクリスマスはシャケを食え”と街中のチキンを奪い、代わりに鮭の切り身へと変えていく。幼稚園児とクリスマスパーティの約束をしているパトレン2号は、なんとかサモーン・シャケキスタンチンの悪事を止めようとする話だ。
パトレン2号はチキンを焼く匂いでサモーン・シャケキスタンチンをおびき出し、パトレンエックスやルパンレンジャーの協力も受け、なんとかサモーン・シャケキスタンチンを追いつめる。
最後は、巨大化したサモーン・シャケキスタンチンを、サンタとトナカイの姿になった巨大ロボのビクトリールパンカイザー、エックスエンペラー、ルパンマグナムスペリオルが退治する。必殺技もイルミネーション輝くクリスマス仕様となっていた。
ちなみに、この回ではほとんど登場しなかったパトレン1号だったが、本部に籠り調査しており、この回でなんとルパンレンジャーの正体に辿りついてしまう。実はクライマックスへ向けたターニングポイントの回にもなっていたのも印象的だ。