1990年にフジテレビ系で放送が始まり、今なお特別編が放送されるたびにSNSで話題になるなど、根強い人気を誇るドラマ『世にも奇妙な物語』。12月14日には『世にも奇妙な物語’24 冬の特別編』として、timeleszの佐藤勝利さんらが出演する「City Lives」、尾上松也さんらが出演する「ああ祖国よ」、アンガールズの田中卓志さんらが出演する「第1回田中家父親オーディション」、清野菜名さんらが出演する「フリー」が放送される予定だ。
毎回、ホラーをはじめとした多様なジャンルのオムニバス作品が放送されており、中には想像を超えた怖さやインパクトのある展開で我々視聴者を恐怖のどん底に落とすことがある。
中でも90年代の『世にも』は残酷さも今より過激で、現在でも「あの回は怖かった」と語り継がれる名作が多かった。特に、現実の世界では「絶対にありえない」設定とは分かっているのに、テレビの向こうで起こっていることが怖すぎて、トラウマになるような描写もあった。今回は、大人になった今でも忘れられない怖すぎた回を振り返りたい。
■植物に食べられるカラオケにイヤ~な罰ゲーム地獄
まずは、1996年「聖夜の特別編」で放送された野村宏伸さん主演のエピソード「恐怖のカラオケ歌合戦」。
これは会社の仲間に無理やりカラオケにつれていかれ、音痴だとバカにされ、あげくケチャップまでかけられた男性・塚崎の復讐を描いた物語だ。
塚崎は後日、打ち上げと称して会社のメンバーを自宅に招待し、巨大な食人植物が繋がったカラオケマシンの前につれていく。同僚や上司は「カラオケをうまく歌えれば助かるが、下手だったら食われる」というこの植物の前で強制的に歌わされるが、一人ずつ食人植物に食われてしまう。
最後はケチャップをかけた張本人だけが残り、尾崎豊さんの『I LOVE YOU』を歌うことになるが、実はこの同僚は塚崎を凌駕するほどの音痴で、歌い始めた瞬間に食人植物が苦しんで暴れ出し、あろうことか塚崎本人が頭から食人植物に食べられてしまうというオチだ。結局、一番音痴な男性だけ命が助かった。
大人になった今となっては、少しコメディ要素のあるブラックジョークがきいた作品だとわかるが、一人また一人と様々な方法で人間が植物に食べられていく様子は、テレビを見ていた当時は怖すぎた。
中でも、トップバッターでシャ乱Qの曲を歌った藤木直人さん演じる川崎が人食い植物に食われ、マイクを持った手だけがその場に残るシーンはグロテスクとしかいえない。この極限状態のサバイバルに近い恐怖は、映画『ジョーズ』や『アナコンダ』を見るのに近いものがあった。
続いては、1994年「七夕の特別編」で放送された「罰ゲーム」。井ノ原快彦さんと永作博美さんが出演する作品だが、見ているだけで体中が痛くなってしまう話だった。
これは友人の家に遊びに来た井ノ原さん演じる主人公が、友人の姉(永作さん)に誘われて簡単なゲームをするという物語。
そのゲームとは、サイコロを2つ振り、出目の合計が小さいほうが、互いが事前に紙に書いた罰ゲームを行うというもの。セクシーなお姉さんを目の前に、ちょっとエッチな罰ゲームを考えてニヤニヤする主人公だったが、実際には一発目から「気を失うまで自分で自分の首を絞める」という予想外の罰が出てきて驚愕する。
罰ゲームの内容は次第にエスカレートしていき、「アイスピックを太ももに3センチ以上刺す」「足の裏に最高温度のアイロンを10秒間当てる」と、想像しただけでもゾッとする内容になっていく。しかも最後は主人公もこのゲームの魅力に取りつかれ、自分の妹にこのゲームをけしかけるというオチだった。
友人の家で出血沙汰・大火傷という事件が起こるとは考えにくいが、ちょっとした遊びがエスカレートする可能性は大いにある。くれぐれも下心や軽はずみなノリで得体の知れないことをしてはいけないという教訓(?)さえ感じさせられた。