■2000年代以降もさまざまなバリエーションが登場!
2000年以降も、強さの数値化にはさまざまなバリエーションがある。島袋光年さんの『トリコ』(集英社)の「捕獲レベル」は、ゲームのレベルを思わせワクワクさせられた。猟銃を持ったプロのハンター10人でようやく仕留められるのが「レベル1」とのことだが、作中には千~万クラスのレベルも普通に出てくるから恐ろしい……。
また、鈴木央さんによる『七つの大罪』(講談社)では、「闘級」というもので強さを数値化していた。これは「バロールの魔眼」と呼ばれる道具で相手の闘級を見るところが、『ドラゴンボール』のスカウターとよく似ている。ちなみに本作では『ドラゴンボール』と同じように次第にパワーインフレが起こってしまい、話が進むごとに最初の頃の闘級が可愛く思えてしまうように……。
その他、原作:ONEさん、作画:村田雄介さんによるリメイク版『ワンパンマン』の番外編では、S級ヒーローである童帝が開発した肉体強度測定装置「オカメちゃん」によって、強さが測定されていた。
いろんなヒーローの強さを測ると、サイタマは規格外の強さにより測定不能。逆にキングも弱すぎて数字が出ていなかった。
そもそもこの作品はサイタマの独壇場なので、強さを数値化してもあまり意味がないようにも思えてしまう……。
バトル漫画での強さの数値化は、目に見える目標や指標となってパワーバランスがわかりやすくなる。場合によっては強さのインフレが起こることにもつながるので、良し悪しともいえるだろう。しかしこうした設定がいつの時代も、読者をワクワクさせてくれているのは間違いない。