『ジョジョの奇妙な冒険』や『るろうに剣心』にも…必殺技が効かない!?読者を絶望させた少年漫画の「圧倒的な最強ボスキャラ」たちの画像
『るろうに剣心』新京都編 後編 光の囀[Blu-ray](アニプレックス) ©和月伸宏/集英社・アニプレックス

 バトル漫画のボスキャラとの戦いで、手に汗握るようなギリギリの攻防の末の勝利は胸アツだ。そこに至るまでの過程も重要で、圧倒的な実力差を見せつけられてから必死に這い上がる……そんな展開もあるからこそ、勝った時の爽快感もひとしおである。

 しかし、中にはあまりにもボスキャラが強すぎて、どうやって攻略するのか検討がつかないパターンもある。それは強さのレベルが予想の範囲を超えてしまっているからだ。

 そこで今回は、必殺技が効かず読者を絶望させた圧倒的なボスキャラを紹介したい。

■時を加速させる能力で皆を圧倒したプッチ神父

 まず紹介したいのは、荒木飛呂彦氏による『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)第6部のラスボスであるプッチ神父だ。

 プッチ神父は理想の世界を作ることを目的とし、世界に干渉する力を持つ「メイド・イン・ヘブン」へとスタンド能力を進化させる。この能力は時を加速させるというもので、その中でプッチ神父だけが自由に動くことができた。

 そのため、周りの人間からするとプッチ神父が目にも止まらない速さで動いているように見える。プッチ神父はその能力を使って宇宙を一巡させ、あらゆる生物に先に起こる運命を体験させ、死に対する覚悟を持たせようとした。

 それを阻もうとしたのが空条承太郎たちで、唯一この能力に対抗できるのが承太郎の「スタープラチナ ザ・ワールド」で時を止める能力だ。ご存知の通り、彼はこれまでにこの能力でDIOや吉良吉影などの強敵を倒してきた。

 プッチ神父も、時を止めている間は例外なく無防備である。承太郎はそこを狙う……が、プッチ神父は承太郎の娘・徐倫にも攻撃を仕掛けていて、承太郎はそれをかばってしまったためにコンマ数秒動きが遅れてしまう。

 そのせいで承太郎はプッチ神父に攻撃を当てられず、逆襲され命を落としてしまった。最強と思われた能力が情ゆえに敗れてしまった瞬間であり、その場の全員が絶望する。この場面での承太郎の死はあまりにも衝撃的で、悲しんだ読者も多いだろう……。

■あの一護をも絶望させた…チート級の化け物・ユーハバッハ

 次は、久保帯人氏による『BLEACH』(集英社)のラスボスであるユーハバッハだ。彼ほどデタラメな強さを持つ存在もなかなかいないだろう。

 「全知全能(ジ・オールマイティ)」と呼ばれる彼の能力は、これから起こる出来事を全て見通すことができるだけでなく、自分が知った力を無効化できる。おまけに未来の改変までできてしまうので、チート以外の何物でもない。

 それでも黒崎一護ならなんとかしてくれる……。仲間も読者もそう信じていたはずだ。もちろん、一護自身も希望を持って最後まで戦おうとしていた。しかし、一護最大の必殺技である天鎖斬月の力を解放するのだが――その次の瞬間、何故か刀が折れてしまう。

 「未来で折っておいたのだ」と語るユーハバッハは、一護の天鎖斬月を驚異に感じて未来の改変によって刀を折っていたのである。これには、一護だけではなく読者も心を折られてしまったはずだ。

 どうしたらこんな化け物に勝てるのか分からず、「終わりだ」と一護は戦意を喪失してしまう。その気持ちも分からないでもない……。これまでどんな逆境も乗り越えてきた彼だが、こんな存在が相手ではどうしようもない。

 戦いの終盤でここまで圧倒的な力を見せつけられたパターンは、バトル漫画の中でもけっこう珍しいような気もする。

  1. 1
  2. 2