■人を石化する特殊能力…さまざまな人の人生を狂わせた『ドラクエ7』の「あめふらし」

 『ドラクエ7』には人を石化させる特殊能力を持つ「あめふらし」が登場する。コイツは過去にダイアラックとグリンフレークの町に“灰色の雨”を降らせ、人々を石化させていた。

 最初に訪れるダイアラックの町は、年月が経過し廃墟と化していた。だが、ここでは石化し、ボロボロに風化した人たちの記憶を垣間見ることができる。かなりつらいイベントだった。

 石化した人たちを元に戻せるのが、クレマンという老人の持つ「天使の涙」というアイテムだ。しかし、風化が進んだこの町の人たちは、もう手遅れで助けられない。そしてここで「天使の涙」をクレマンから託されるのだ。これがのちに訪れるグリンフレークの町で効果を発揮し、石化の解除が可能となる。

 この悲劇をもたらしたあめふらしは、グリンフレークにある建物の屋上におり、一見弱そうなモンスターにも見える。こんなヤツに人生を奪われた罪のない人たちがかわいそうで、なんとしても倒したいと思ったもの。ダイアラックでは小さな子どもまで犠牲になっていたので、本当に切なかった。

 さて、このあめふらしは見た目以上に強敵で、2回行動で攻撃と“ベホイミ”や“なめまわし”などを仕掛けてくる。行動を封じられると厄介で、レベルが低いと長期戦になり、HPやMPがなくなってしまうから要注意だ。

 ただまああめふらしは戦闘シーンよりも石化のイメージが強烈だった。廃墟となったダイアラックはもちろんのこと、グリンフレークの町でも庭師のペペが恋仲であるリンダを灰色の雨から庇ったおかげで、昼ドラのような複雑な愛憎劇を見せられることになる。

 多くの人々の人生を狂わせただけに、コイツは『ドラクエ』屈指のとんでもない非道なモンスターだったといえるだろう。

 

 『ドラクエ』シリーズに登場する非道なモンスターたち。コイツらのせいで悲惨な目に遭った人のことを考えると、なんとしてでも成敗しなくてはならない!と、戦闘に燃えたものだった。

 野放しにしていたら、もっと犠牲者が増えていたことだろう。イベントで感情が入ってしまうのも『ドラクエ』ならではの楽しみ方なのかもしれない。

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