11月14日、HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』が発売された。『ドラクエ』人気が再燃している今、過去のシリーズを振り返っている往年のファンも多いだろう。
『ドラクエ』シリーズで繰り広げられる壮大な冒険では、ときに残酷なボスキャラが登場する。なかには、残酷非道な手口を見せるタイプのものもいる。
そこで今回は『ドラクエ』シリーズに登場した忘れられないボスキャラたちの非道さ、そして敵討ちに燃えた難関バトルを振り返ってみたい。
■いたいけな少女を生贄に…レベルが低いと全滅必至『ドラクエ3』の「やまたのおろち」
今、話題の『ドラクエ3』からは、ジパングに居座る「やまたのおろち」を紹介したい。現実世界の地図がモチーフになっている本作において、日本神話に登場する“八岐大蛇”がまさにモデルといえる。
やまたのおろちは、“神通力”を持つジパングの女王「ヒミコ」に若い娘を生贄として差し出させていた。それにより村が襲われることがないのだという。しかし、このヒミコはやまたのおろちがなりすましている仮の姿だった。
やまたのおろちは、自分好みの娘を“ジパングの洞窟”で喰っていた。ここには生贄になった人たちの白骨が転がっており、勇者一行がたどり着いたときには、次の生贄に選ばれた娘が村の壺に隠れていた。いたいけな少女を目の前にして、こんなの助けてやりたいと思うに決まっている。
だがやまたのおろちは、簡単に勝てる相手ではない。ジパングは船を手にすればいつでも訪れることが可能だが、まだレベルが15〜16程度であれば全滅必至だった。
しかもコイツは、話しかける間もなく目の前に立った途端、いきなり戦闘がスタートしてしまう。『ドラクエ3』では5つの首を持つドラゴン系のモンスターでどう見ても強そうだ。
「やまたのおろち」は2回行動で、全体攻撃となる“ほのお”を使ってくるのが超厄介だった。さらに自動回復を持っており、ほのお系の攻撃呪文への耐性が高く、魔法使いの“バイキルト”がないと攻撃手段も限られる。
レベルが低いうちだとあっという間にHPを削られ、僧侶や勇者の回復呪文も追い付かない。筆者は手詰まりになった際に放った“ラリホー”が効いたので「全部の首が寝てくれるのか?」と期待したこともある。一度全滅後のリベンジ戦では「眠ってくれ!」と祈りながら“ラリホー”を連発したものだ。
そして、勝利してもこれで終わりではない。やまたのおろちはバトル後に後方の“旅の扉”に逃げ込んでしまい、追いかけてジパングの村の「ヒミコの屋敷」でヒミコに話しかけると2度目の戦闘が始まってしまう。HPとMPを回復していないままだと、あっさり全滅したものだった。
ちなみに1回目にやまたのおろちを倒すと「くさなぎのけん」が手に入る。須佐之男命が八岐大蛇を倒したエピソードを彷彿とさせ、思わずニヤリとしてしまったな。
■実験台にされた女性たち…敵討ちに燃えた『ドラクエ4』の「バルザック」
『ドラクエ4』の第四章は、“モンバーバラの姉妹”であるマーニャとミネアが主役だ。錬金術師である父・エドガンを弟子の「バルザック」に殺されてしまったため、姉妹は父の敵を討とうと旅をしていた。
このバルザックはとんでもなく悪いヤツだった。エドガンが偶然見つけた“進化の秘法”を手にするため彼を殺害。その後はキングレオ城を支配して王様になりすまし、“進化の秘法”の実験台として女性たちを犠牲にしていた。
もとは人間だったが、“進化の秘法”を悪用しモンスター化したバルザックはかなり手強いボスだった。“ギラ”と“ひのたま”を使ってくるし攻撃力も高い。一番厄介だったのは、“ベホマ”で体力を回復してくることだろう。
1ターンで倒せる相手ではないので“ベホマ”を使われたら勝ち目はない。この戦いで必須なのが、コーミズ西の洞窟で手に入る「せいじゃくのたま」だ。これは“マホトーン”と同様、相手の呪文を封じてくれる。
当時筆者は「せいじゃくのたま」をどのタイミングで使うのかがよく分かっておらず、そもそもバルザック戦で使うことを頭に入れていなかった。ただ、前作『ドラクエ3』のゾーマ戦で「ひかりのたま」で大魔王ゾーマの闇の衣(バリアー)を解除していたのを覚えていたため、バトル中に思いつき使うことができた。
呪文を封じれば勝利は近いものの、油断すると攻撃力の高さにやられてしまう。まあ順当にHPを回復していけば、なんとか勝利できたものだった。
とはいえ、驚いたのはこのあとの完全敗北必至のキングレオ戦だ。負けイベントだけに仕方ないのだが、敵討ちを終えたのにまさかやられてしまうって……しかもバルザックは生き残っているし……。