■エアリアルありきで見られがちだが…『機動戦士ガンダム 水星の魔女』スレッタ・マーキュリー
最後の最強候補は『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のスレッタ・マーキュリーだ。
意外に思われる方も多いかもしれない。それもそのはず、スレッタが乗るガンダム・エアリアルは作中圧倒的な性能を誇り、開発そのものが禁止にもなるほどのモビルスーツである。ゆえにそのアドバンテージから、スレッタはパイロットとしては低く見られがちだ。
しかし、最終戦の彼女の戦いを見てもらえばその評価も少し変わるかもしれない。第22話「紡がれる道」、巨大なデータストーム空間が広がるクワイエット・ゼロで、スレッタはその“最強”のエアリアルと対決することになったのだ。
ガンダム・キャリバーンに乗るスレッタは肩で息をするほど身体的負担を受けながらも、エアリアルが操る無数の無人機ガンドノードの全方位攻撃を全弾避ける。逆に彼女自身は、スラスターのついた特徴的なライフル“バリアブルロッドライフル”を使い、的確に敵の数を減らしていった。
さらに続く第23話「譲れない優しさ」、エアリアル本体の遠隔操作兵器システム・エスカッシャンによる攻撃も、スレッタはそのほとんどを回避。最後まで致命的なダメージを受けることはなかった。
このときエアリアルを操縦していたエリクト・サマヤも戦いのなかで「僕は君(スレッタ)のこと傷つけたくない」と言っていたが、彼女も母の願いと自分自身のための戦いであったため、そこに手加減はなかったように思う。本気でスレッタを仕留めにいっているからこそ発せられたセリフのように感じた。
このようにスレッタは、エアリアルなしで、逆にエアリアルを相手に見事な操縦テクニックを見せ、さらにその戦闘は最強パイロットに推したくなるような凄みがあった。
今回はアナザーガンダムの世界において、アムロを超える可能性を秘めた最強パイロットを考察してみた。
アナザーガンダムは作品ごとに異なる世界観を持ち、技術背景も全く異なる。さらには『機動武闘伝Gガンダム』のドモン・カッシュのような異質の強さを持ったパイロットもいるため、単純な比較は難しい。
しかし、このような考察ができるのも、アナザーガンダムならではの魅力と言えるだろう。あなたの思う最強パイロットは誰だろうか?