■修行相手がいない

 最後は、修行相手がいないということも挙げておこう。未来トランクスの世界線では、悟飯とトランクス以外の戦士は殺されてしまった。

 そこからも基本的には修行をひとりでするしかなかったと考えられる。悟飯は過去の流れを見ていてもひとりで強くなれるタイプではない。悟空やベジータはストイックなので、ひとりで強くなっていくが。

 しかも超サイヤ人に修行をつけられる相手も限られてしまい、あの世界線でそれができるとすれば、殺される前のベジータくらいだろう。ただ、ベジータは自らの手で敵を倒すという考えの持ち主だから、あまり良き修行相手になってくれたとは思えない。

 そして、ベジータたちが死んでからはトランクスとふたりきり……。彼が超サイヤ人を習得してからは練習の相手をさせたこともあっただろうが、それまでは相手にならなかったはずだ。そもそも、あれこれ教えるのが大変で自分の修行どころではなかったかもしれない。

 ひとりで修行するのが苦手な悟飯と、それに付き合える相手がいないという負の連鎖なので、強くなれなかったのも無理はない。

 

 悟空が死んだ後の未来悟飯は、誰よりも強い潜在能力を持っていたはずなのにそれを活かしきれなかった。その一番の理由は、悟空がいなかったことだろう。

 父親である悟空だからこそ悟飯を一番理解していて、覚醒の手助けをすることができた。改めて悟空の存在の大きさが身に染みる……。

  1. 1
  2. 2