日本を代表するバトル漫画で絶対に外せないのが、鳥山明さんによる『ドラゴンボール』(集英社)だ。2024年秋からは『ドラゴンボールDAIMA』が放送され、連載終了から29年経っても未だに盛り上がっている。
ところで、『ドラゴンボール』にはパラレルワールドがあるのをご存知だろうか?人造人間の17号と18号によって世界が滅亡寸前になるという別の未来だ。そこで生き残った戦士はトランクスと悟飯だけという状況……。
そんな中で悟飯も殺されてしまい、トランクスはブルマの開発したタイムマシンに乗って悟空たちの前に現れたのだ。
しかし、悟飯は完全体セルを上回る実力を持っていたので、どうして17号たちにやられてしまったのかが疑問である。そこで今回は、別の未来の悟飯がなぜ人造人間に勝てなかったのかを検証していこう。
■仙豆がなくなった
まず、悟飯が強くなれなかった要因のひとつが、仙豆がなくなったことだと思う。仙豆がなくなった件についてはトランクスの口から語られており、悟飯が失った右腕を治せない理由はそこにあった。
仙豆といえば、どんな傷でも一瞬で治してしまう万能アイテムで、激しい戦闘を繰り返す悟飯たちにとって必需品といえるだろう。そんな仙豆がどうしてなくなったのかと考えてみると、カリン塔が破壊された可能性がある。
17号たちは悟空たち戦士に関する情報がインプットされているので、仙豆についても知っているはずだ。これは、17号たちがベジータたちと戦闘をした際に「はやく仙豆ってやつを食わせてやるんだな」と言っているあたりからも分かる。
そこから17号たちが、驚異とみなしてか面白半分かは分からないが、仙豆を栽培・備蓄しているカリン塔を壊したとしても不思議ではない。
悟飯が世界を救うために手っ取り早く力をつけるとしたら、サイヤ人の戦闘力アップを利用するしかない。ナメック星に向かっている最中に悟空が取った修行方法は、重力装置によって自らを追い込んで仙豆で回復の繰り返し……。それによってたった数日で予想以上の戦闘力アップに成功した。
同じことができたとすれば、悟飯は人造人間を上回る力を手に入れていたはずだ。仙豆がないというだけで、かなり不利な状況になったのはいうまでもない。
■師匠がいない
次は悟飯を鍛えられる師匠がいなかったことだ。これが一番大きいといえるだろう。悟飯にとてつもない潜在能力が眠っているのは、ラディッツと戦った幼少期から証明されている。
悟飯が成長してからそれを活かせたのは、すぐれた師匠の存在が身近にあったからこそだ。悟空は悟飯の才能を見抜いていたからこそ、セルを倒せるのは悟飯だけだと信じていた。そして、戦いの最中に何度もアドバイスをして、その潜在能力を最大限に引き出し覚醒へとつなげた。
悟飯が単純に怒りだけで覚醒できるのなら、最悪の未来にいる悟飯でも覚醒できたはずだ。それができなかったのは、超サイヤ人までが悟飯がひとりでたどり着ける限界だったのかもしれない。
悟飯は悟空との修行によって、すぐに超サイヤ人になることができた。しかし未来トランクスの世界線では、その方法を教えてくれる悟空はいなかった。だとすると、悟飯は悟空と同じように自力で怒りをきっかけに超サイヤ人になったと思われる。
しかし、それ以上の成長は望めなかったのだろう。本編の世界線での悟飯は精神と時の部屋で、悟空と一緒に修行をして超サイヤ人以上の力を手に入れる結果となったからだ。
悟空は早々に超サイヤ人のさらなる進化にたどり着いていたので、サイヤ人のパワーコントロールを知り尽くしているといえる。そんな悟空がいない状況は、かなりの痛手となったに違いない。