■冒険の先でまた出会えるかもしれない神鳥「レティス」

 続いて、『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』に登場した神鳥「レティス」だ。

 かつて七賢者とともに暗黒神・ラプソーンを封印したレティスは、“無数の世界を旅するもの”として語られており、物語終盤では主人公たちを背に乗せて、ともにラプソーンとの決戦に挑んでくれる。

 出会った際には主人公たちの力を測るため、いきなり襲いかかってくるのだが、この戦闘がなかなかに厳しい。完全2回行動に加えて中ボスとは思えないほどの高い攻撃力を持っているため、十分なレベルが備わっていないと1ターンで瀕死になる危険性もあるのだ。

 さらに、高い守備力に加えて「いてつくはどう」も備えており、テンションアップによる高ダメージも与えにくい。初見プレイだとかなりの苦戦を強いられ、辛酸を舐めたプレイヤーも少なくないだろう。

 敵に回すと脅威であるレティスだが、ラプソーン戦ではどんなに激しい攻撃を受けても主人公たちを落とすことはなく、その頼もしい姿には感動してしまう。そして別れのシーンでは、自身が生まれた別の世界ではその名について「ラーミアと呼ばれていた」と、衝撃の事実を明かすのだ。

 古参プレイヤーには嬉しいこの粋な演出。今後も『ドラクエ』をプレイしていたら、無数の世界を旅しているレティスにいつかまた会える日がくるかもしれない……。

■邪神の攻撃もものともしない純白の鯨「ケトス」

 最後は『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』より「ケトス」だ。

 “神の乗り物”と称される、巨大な鯨の姿をしたケトス。ゼーランダ山の頂で「天空のフルート」を吹くとその形が釣り竿へと変化し、ケトスを釣り上げるという衝撃の出会いを果たす。

 巨大な純白の体躯に記された黄金の紋章から神々しさがにじみ出ているが、そのつぶらな瞳はどこか愛嬌もある。

 本編のラスボスである魔王・ウルノーガの根城に突入するためケトスに乗るわけだが、本編クリア後の裏ボスである邪神・ニズゼルファに挑む際には覚醒した姿が明らかになる。

 時の番人の力を借りて「天空のフルート」で奏でられた新たな旋律が、ケトスに黄金の鎧と闇の結界を破壊できる角を宿らせるのである。戦闘中にはその背に魔法陣を展開し足場を作ってくれるうえ、最終決戦の激しい戦闘もものともしない安定感で、最後まで主人公たちに寄り添ってくれる頼もしい存在だった。

 ちなみに覚醒時とそれ以降の搭乗時に流れる旋律は、『ドラクエ3』にてラーミア搭乗時に流れる「おおぞらをとぶ」。これまた往年の『ドラクエ』プレイヤーの胸を震わせる、粋な仕掛けであった。

 

 その背中に平和への希望を乗せて世界を飛び回ってくれる、伝説のモンスターたち。その多くは重大な決戦の前に力を貸してくれることから、どの作品でもモンスターへの搭乗シーンは士気が高まるような独特の高揚感を味わわせてくれる。

 今後もリメイク作品を含めた多くの『ドラクエ』シリーズで、その世界の広さを実感させてくれる空飛ぶ伝説のモンスターたちに出会えることを期待しよう。

  1. 1
  2. 2
  3. 3