『銀河鉄道999』は、1977年から松本零士さんによって連載が開始されたSF作品だ。銀河を旅する少年・星野鉄郎と美女・メーテルが999号に乗って宇宙を冒険する様子が描かれており、時代を超えて読者を魅了し続けている。
本作に登場するメーテルはミステリアスな謎の美女であり、読者にとっては永遠の憧れの女性でもあるだろう。しかし漫画を読み返してみると、彼女の言葉の端々から毒舌っぷりが見え、驚いてしまう場面も少なくない。
そこで今回は原作漫画に登場する、美女らしからぬちょっと毒舌なメーテルのセリフを紹介したい。
■鉄郎が怖がっているのに…「覚悟をきめて寝てなさい」
まずは恐怖体験をして怖がる鉄郎に対し、その様子を心配することなく突き放すようなメーテルのセリフを紹介したい。
コミックス8巻では「足音村」という、薄暗く寂しい星に降り立った鉄郎とメーテル。2人が歩くとそのあとをついてくるように、カラーンコローンと不気味な下駄のような音が響き渡る。
その後、古い旅館に泊まる2人だったが、寝るときになっても足音は鳴りやまない。鉄郎は「メ、メーテル、こりゃ足音だよ!! 近づいて来るよ!!」と、布団のなかで恐怖におののくのだが、それに対しメーテルは「大丈夫よ 覚悟をきめて寝てなさい、鉄郎」と、にべもなく言うのだ。
アニメ版『銀河鉄道999』では、鉄郎の年齢は10歳と言われている。親子ではないうえ、一緒に添い寝をするような年齢ではないかもしれないが、怖がる鉄郎に“覚悟を決めて寝なさい”というのもかなりクールだろう。
その後、何かの気配を感じた鉄郎は、おそるおそる障子を開ける。「だれもいないや」と言うと、またもやメーテルは「そうかしらね」とあまりにもそっけない。
いつでもクールでミステリアスなメーテルだが、本性は想像以上に冷たいのかも?と思えてしまう描写であった。
■メーテルの皮肉!?「なにかため込んだ事があるの?よくわかったわね」
コミックス6巻「大酋長サイクロプロス」でも、メーテルは毒舌だった。
「ゴーストコロニー」という駅に降り立った鉄郎とメーテル。そこは、ドクターサイクロプロスという男性が作ったクローン人間だらけの世界だった。
鉄郎とメーテルがサイクロプロスの部屋で話していると、彼は途中で具合が悪くなってしまう。そこでメーテルは押し入れを開けて布団を出すよう鉄郎に指示した。
「気がすすまない」と言いつつも、押入れを開ける鉄郎。そこにはなんと大量のパンツが押し込まれており、雪崩となって落ちてきた。
「わかってるんだよな〜こういうムードの人の押入れには なにが入っているのか……」と、つぶやく鉄郎に対し「鉄郎もパンツかなにか ため込んだ事があるの? よくわかったわね」と言うメーテル。
このように聞くメーテルは、普段の鉄郎のだらしなさを知っているのだろう。しかもそのあと、「あなたも おとなになったら ドクターサイクロプロスみたいになるのかもね」と、皮肉めいたセリフを言っており、暗に鉄郎に生活習慣の見直しを伝えている様子がうかがえる。