「不死鳥ラーミア復活」に「ギアガの大穴」も…ドット絵でも感動した!ファミコン版『ドラクエ3』記憶に残る「伝説のイベントシーン」の画像
HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』メインビジュアル (C)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX

 11月14日に、いよいよ発売日を迎えるHD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』。今か今かと待ち遠しく思うファンも多いだろう。何を隠そう、ファミコン版から遊んでいた筆者もその一人だ。

 まさに名作といえる『ドラクエ3』が今の時代のクオリティで復活するなんて、ファンとしては興奮が止まらない。本作は過去2作よりもイベントが増えているが、そんなイベントシーンがどう展開されるのかも見ものである。

 そこで、当時のファミコン版では何かと印象的だった、伝説のイベントシーンを振り返ってみよう。

■名曲に心を打たれる不死鳥ラーミア復活

 まずは『ドラクエ3』の「不死鳥ラーミア復活イベント」だ。

 本作は、「6つのオーブ」を探す旅でもある。世界中に散らばっているオーブを集め、南西の氷の島にある「レイアムランドのほこら」で金の冠の台座に捧げるのだ。

 さて、ほこらのなかには2人の巫女がおり、中央にある不死鳥ラーミアの卵を守っていた。この巫女たちはまるで映画『モスラ』に登場する双子の妖精のようで、どこか神秘的な雰囲気だった。集めた6つのオーブを台座に捧げると、伝説の不死鳥ラーミアが復活すると教えてくれる。

 このレイアムランドのほこらは船を手に入れれば訪れることはできるが、6つのオーブを集めてからでないとイベントが始まらない。当初は「オーブなんてどこにあるのやら」と思っていたが、冒険を続けるうちに自然とオーブ集めに成功していく。全部集めるころにはレベルもかなり上がっており、冒険も終盤戦となっている。

 満を持してレイアムランドのほこらに行き、台座にすべてのオーブを捧げ、巫女たちに話しかけると彼女たちは言う。「ときは きたれり。 いまこそ めざめるとき。 おおぞらは おまえのもの。 まいあがれ そらたかく!」と。

 すると、中央の卵が揺れて激しく割れ、なかから翼を羽ばたかせたラーミアが誕生。そのまま飛び去ってしまうのだが、その後、ほこらを出るとラーミアは待っていてくれていて、その背中に乗って飛び立つことができる。

 このイベントはBGMも印象的だった。少しもの悲しい雰囲気で始まり、これまでの冒険の数々を思い出して切なくもなる神秘的な名曲で心を打たれたものだった。

 ラーミアに乗ると、これまで行けなかったバラモスの城や竜の女王の城へたどり着けるようになる。「おおぞらは おまえのもの」という言葉はこれを指していたのか……ずっと乗っていたくなるほど気持ち良かった。

 『ドラクエ』シリーズで初めて空を飛べて、敵も出現しない乗り物に感動したプレイヤーも多かっただろう。

■懐かしのワードとメロディーに大興奮! 衝撃だったギアガの大穴からのアレフガルド

 『ドラクエ3』をプレイしていた当時、一番衝撃的だったのは、ギアガの大穴からアレフガルドに落ちたあとのシーンだろう。

 バラモスを倒してアリアハンの城に戻り、王様からお祝いを受けていると、まさかの大魔王ゾーマの存在が明かされる。長い戦いがようやく終わったばかりだったので、「え……エンディングじゃないの?」と、意外に思ったことを覚えている。

 そして、何も分からないままギアガの大穴に落ちてみると、そこはカギのかかった小屋があり、なかにいる男から「ここは やみのせかい アレフガルドっていうんだ。」と、衝撃のワードを告げられることとなる。そう、過去2作にも登場した「アレフガルド」が、ここで突如登場するのだ。

 さらに小屋を出ると船と少年がいて、話しかけてみると「ここから ひがしにいくと ラダトームの おしろだよ。」と、これまた驚きの事実を教えてくれる。

 そこから船に乗り海原へ出て、言われた通り東の方向へ向かい船を降りると、まさかの懐かしいメロディーが……「おお、『ドラクエ1』じゃないか!」と、さらに衝撃を受けた。

 「本当にラダトームなのだろうか?」と、ドキドキしながら町へ入ろうとした瞬間、南東の川岸に毒の沼地に囲まれたお城を発見。『ドラクエ1』にあった竜王の城だ!

 それまで何の情報もなかったので、このシーンはかなり鳥肌ものだった。『ドラクエ2』は設定も前作の続きで、『ドラクエ1』の主人公の子孫が活躍するというストーリー。だが、『ドラクエ3』までも設定がつながっていると知らなかったため、興奮しないわけがない。ここからまた新たな冒険が続いていくんだと、ワクワクさせてもらったものだった。

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