バスタオル姿で知られるキャラの声優を担当
──『オホーツクに消ゆ』 はファミコン版も人気でしたが、もともとはPCのゲームで、リリースは1984年。今から40年前です。
中川 私が生まれる前ぐらいの作品なんですよね。詳しくない方に説明するときは“『犯人はヤス』じゃない方”と言っています(笑)。“そっちは『ポートピア連続殺人事件』です”って。この作品は、文章でどんどん物語が進んでいき、選択していくというところが画期的だったのだと思います。それはやっぱり堀井さんの言葉の力のすごさによるものですよね。先日、今回のリメイク版が売上ランキング 1 位になったってニュースを見ました。令和の時代にもちゃんと刺さっているということもすごいです。
──そして、今回は声優として中山めぐみ役を演じています。個人的にも遊んでいますが、まったく雰囲気が違って、言われなければ中川さんとは気づかなかったかもしれません。
中川 それは嬉しいです! 声優のお仕事をするときは、中川翔子の顔が浮かばないようにしたいと思っているので、そうおっしゃっていただけるのはとてもうれしいですね。
──めぐみという役はいかがでしたか?
中川 めぐみさんといえば「バスタオル」なんですよね。ファミコンではめぐみさんがバスタオル一枚で登場するシーンがあって、あることをやると、ある状態になってしまう……そういう「重要人物」だと理解しています(笑)。
堀井さんが“めぐみ役を中川翔子で”と指名してくださったのですが、中川翔子っぽさを消しつつ、お色気担当のお姉さん感を出せるかなってプレッシャーはありました。でも、リメイク版では、ファミコン版以上に、けっこう大胆なシーンになっていて……驚きましたね(笑)。
それから、実は隠れキャラとして登場する「べーしっ君」の声もやっているんです。これって、ファンの方も気づいていないみたいで、私がXでお知らせする以前は、エゴサしても“べーしっ君の声はしょこたんだ”と指摘している人が見つかりませんでしたね。
──とにかく、今回のシングルは中川さんのいろいろな思い入れと喜びが凝縮されすぎていることがわかります。
中川 自分にとって最高の名誉だと思えることが詰っていますから。しかも、いずれの曲も“ぜひ中川翔子で”と言ってくださって成立したものなので、本当に言霊ってあるんだなと思い、噛み締めています。
コロナ禍で目の前の仕事が全部なくなった頃を思うと、今はイベントやコンサートでマイクを手にして皆さんの前で歌うたびに喜びを実感しています。一方で、“これが最後かもしれない”という不安もあったり、“やっぱり歌うことが好きだな”と再認識したり、いろいろな思いが頭のなかをグルグルしています。