11月14日にいよいよ発売となる、HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』。シリーズを通して人気の『ドラクエ』だが、なかでも勇者ロトの伝説が描かれた「ロトシリーズ」は、数十年が経ったいまもファンに愛され続けている。
そんな「ロトシリーズ」のあとに展開されたのが「天空シリーズ」だ。「天空シリーズ」にはデスピサロやエスターク、デスタムーア、ダークドレアム、ムドー、ゲマといった強烈なインパクトを持つラスボスや配下が登場し、プレイヤーを苦しめてきた。
だが、なかには、魔王の直接配下ではなさそうなのに、意外にも強敵だった「難関ボス」がいる。今回はそんな彼らを振り返ってみたい。
■数多くのプレイヤーを苦しめた『ドラクエ5』の「ブオーン」
まずは、ラスボスを凌ぐほどのインパクトを誇る『ドラクエ5』の「ブオーン」だ。本作のボスキャラといえばゲマが有名だが、コイツにも勝てそうなほど数々のプレイヤーを苦しめた難関ボスとして知られている。
ブオーンは、サラボナの町に住むルドマンの先祖により壺のなかに長らく封印されてきた、牛の顔に似た魔獣で、とてつもない巨体が特徴だ。
青年時代後半にサラボナの町を訪れると、当主のルドマンから「封印のほこら」へ行って壺の色を確認してくるように頼まれる。そして、壺が赤く光っていることを「見はらしの塔」で待つルドマンに報告へ行くと、強制的にブオーンのイベントが始まり戦闘となる。
このブオーン、封印させられた腹いせにルドマンに復讐しに来るのだが、だんだんと近づいてくるその姿はかなりのインパクトだ。ちなみにPS2のリメイク版では、山をも踏み越えるほどの巨体が迫ってくる様子が不気味で、見るからに強そうな敵の登場に恐怖した。
ブオーンを倒すと「さいごのカギ」が手に入るため、撃破は必須。レベルが低いうちに戦うことも可能だが、初見プレイでは泣きを見ることが多い。攻撃力が高いだけでなく、「はげしいほのお」と「いなずま」の全体攻撃がやっかいなのだ。
とくにスーファミ版は3人パーティのため、回復に手間取ると苦戦は必至。“スカラ”も使ってくるので、もはや反則級の強さだ。だが、こちらの“ルカニ”が効きやすいうえ、ラスボスと違って「いてつくはどう」は使ってこないので、“バイキルト”や“ファイトいっぱつ”で攻撃力を上げていけば、なんとか勝利できる。
リメイク版は4人パーティだが、だからといって簡単に勝てるものでもない。仲間選びを念入りにおこなわないと簡単に詰んでしまうから要注意だ。炎系に耐性があるスライムナイトのピエールは必須だろう。
それにしても、こんな恐ろしい怪物を封印できたなんて、ルドマン一家は底知れない能力の持ち主といえる。あ、そうか……だから天空の盾が代々受け継がれてきたのかもしれない。
■ベギラゴンが厳しかった…ストーカー魔術師『ドラクエ6』の「ミラルゴ」
『ドラクエ6』には、驚くほどストーカー気質のボスキャラがいる。それが、フォーン城の地下でのカガミ姫のイベントに登場する、魔術師「ミラルゴ」だ。
外見はアラビアン風のオジさんなのだが、数千年前にイリカ姫に恋焦がれたものの婚約者がいるからと拒絶されてしまったため、彼女に呪いをかけてカガミの中に閉じ込めていた。そして、その状態でずっと求婚し続けるというカオスぶりを見せた粘着質なキャラだ。
呪文攻撃が得意なミラルゴだが、なかでもやっかいなのが“ベギラゴン”だった。このイベントを訪れるころだと“ベギラマじゃないの?”と、驚いたプレイヤーも多いだろう。
ほかにも、“メラミ”や“マホターン”を唱え、さらに仲間の「ランプのまじん」を呼んでくるミラルゴ。この「ランプのまじん」も意外に強く、相変わらずベギラゴンが厳しいので、攻撃され続けるとあっという間にHPが削られてしまう。
魔術師の塔を攻略するレベルでは、舐めてかかると即全滅してもおかしくないほどの強さ。だが、ローテーションの攻撃になるので、初見プレイでもじっくり作戦を練れば倒せる可能性はある。
ミラルゴを倒すとカガミ姫は無事封印を解かれ、恋人の生まれ変わりであるフォーン王と結婚、めでたしめでたし……となる。しかし、生まれ変わりということは、ひょっとすると当時の婚約者はカガミに捕らわれた恋人をよそに別の女性と結婚して子孫を残したのか……なんて、つい考えてしまう。
いやいや……気が遠くなるほどの時間を耐え抜いたイリカなのだ。そんな話は無粋というもの。イリカにベタ惚れの様子のフォーン王だし、そのまま末永く幸せになってほしいところである。