上戸彩だけじゃない!平愛梨、高畑充希、忽那汐里、本仮屋ユイカ…『3年B組金八先生』で生徒役を演じた人気女優たちの名演技の画像
高畑充希  写真/ふたまん+編集部

 1979年から32年に渡ってTBS系で放送されていた名作ドラマ『3年B組金八先生』。シーズンごとに重いテーマを扱っており、第1シーズンで中学3年生で同級生の子を妊娠した浅井雪乃を演じた杉田かおるさんを筆頭に、実力派の子役たちがデリケートな役柄に挑んできた。

 その中には、性同一性障害の生徒という難役を演じ、脚光を浴びた上戸彩さんをはじめ、現在人気女優として活躍する人も多い。そこで今回は、『3年B組金八先生』で生徒役を務めていた人気女優たちを振り返ってみよう。

■キャストが豪華な「第6シリーズ」の平愛梨さん&本仮屋ユイカさん

 LGBTの言葉がまだ浸透していなかったこともあり、大きな反響を呼んだ2001年放送の「第6シリーズ」。新人女優だった鶴本直役の上戸彩さんは、撮影前にプロデューサーから性同一性障害の本を渡され、必死に知識をつけたのだそう。クラスメイトとの喧嘩シーンでは本気のビンタをしあうなど体も張り、かなりの努力をしていた様子がうかがえる。

 一方、「第6シリーズ」を振り返ると、他の生徒役も豪華だった。たとえば、クラスのマドンナ的存在で長谷川賢に恋する笹岡あかねを演じていたのは平愛梨さん。まだ出演作も少なかった当時17歳の平さんだが、賢と親しい直にモヤモヤしつつ、孤立する彼女を心配するというバランサー的・あかね役を丁寧に演じた。その数年後、平さんは映画『20世紀少年』のオーディションでカンナ役を射止め大ブレイク。バラエティにも出演するようになっていった。

 さらに、スポーティなショートカットの学級委員・青沼美保を演じた本仮屋ユイカさんも「第6シリーズ」で開花していった一人。もともと1999年放送の『わくわくサイエンス』で芸能界デビューしているが、連ドラ出演は『金八先生』が初めて。

 のちに「金八先生でドラマって面白いなと思った」と当時を振り返っていた本仮屋さん。台本に名前しか書かれていなかったという卒業式回に触れ、前シーズンに出演していた風間俊介さんに「泣くから水分補給を」とアドバイスをもらったとラジオ番組出演の際に秘話を明かしていた。実際の撮影で本当に涙が止まらず、「人生で一番泣いた卒業式」と語っていたが、そんなリアルさが視聴者の涙を誘ったのだろう。

■覚醒剤を扱ったシリーズ最大の問題作「第7シリーズ」に出演した福田沙紀さん&黒川智花さん

 中学生の薬物中毒を扱った2004年放送の「第7シリーズ」。最重要生徒は、覚醒剤依存の父を持ち母からも虐待を受けていた丸山しゅう(八乙女光さん)だ。

 苦しみから解放されるために覚醒剤に手を出し、闇に溺れ、水を求めてクラスみんなの前で床を舐めるショッキングな姿を演じる八乙女さんの演技は、思わず目を逸らしてしまうほどリアルだった。

 そんなしゅうを誰より心配していた幼なじみが、黒川智花さん演じる稲葉舞子だ。黒川さんは2001年に『りぼん』の読者モデルでデビューし、その翌年から女優活動をスタート。壊れていくしゅうに「みんなが信じてくれなくても私はしゅうを信じるから」と寄り添い、彼のために涙を流す演技は、誰もが胸を打たれた感動の一場面だった。

 麻田玲子を演じた福田沙紀さんも、「第7シリーズ」で注目を集めた人物だ。玲子は、笠井淳を子分に従えたいわゆる女王様キャラ。だが、大好きな小塚崇史に対しては乙女モードに切り替わる様が可愛らしかった。 

 その小塚は、親の会社で覚醒剤密輸事件が起こり、会社の破綻、離婚、親友だったしゅうから“裏切り者”と言われるという悲劇の連続で心を病み、飛び降り自殺を図ってしまう。そして車いす生活になってしまうのだが、気が強いながらも優しい性格の玲子は、献身的に彼をサポートする。

 個性の強い役柄を演じていた福田さんだが、実は『金八』がドラマ初出演。しゅうと小塚のことで舞子と取っ組み合いの喧嘩をする姿は迫力たっぷり。

 のちのインタビューで「金八先生を知らなかった」と明かしていた福田さん。女王様の玲子役に抜擢されたことに触れ、「九州の女の血が見えたのかな」とコミカルに答えていた。

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