『ロマサガ2』以上の名作?スーパーファミコン『ロマンシング サ・ガ3』がRPG史に残る「神ゲー」と呼ばれるのはなぜかの画像
スーパーファミコン用RPG『ロマンシング サ・ガ3』(編集部撮影)

 2024年10月24日に『ロマンシング サ・ガ2 リベンジオブザセブン』(スクウェア・エニックス)のタイトルでフルリメイク版が発売される『ロマンシング サ・ガ2』。

 スーパーファミコンの『ロマサガ』シリーズでは、第1作『ロマンシング サ・ガ』が2005年にPS2用『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』として作り直されており、そうなるとがぜん期待が高まるのが、残る続編の『ロマンシング サ・ガ3』のフルリメイクだろう。

 1995年にスーファミ用ソフトとしてスクウェアから発売された本作は、前作に引き続き、プレイヤーが自由に行き先を選択できるフリーシナリオシステムを採用したタイトル。途中で投げ出したくなるほど難易度が高かった前作と比べると、控えめな難しさになっており、『ロマサガ』デビューにもピッタリと言える一本。スーファミ末期に誕生した名作として、『ロマサガ』だけでなく、スーファミRPGを代表する「神ゲー」として本作を挙げる人も多いだろう。

 今回は、多くのファンがフルリメイクでプレイしたいと願っているであろう、『ロマサガ3』の神ゲーたるポイントについて振り返っていきたい。

■前作以上に閃くのが楽しみになった、魅力的な技の数々

 美人ながら男勝りなエレン、ロアーヌ侯爵であるミカエルら8人の個性的なキャラクターの中から誰か一人を主人公に選び、世界を救う旅に出る本作。

 選んだ主人公によって仲間になるキャラクターやストーリー展開が変わったりするが、それぞれ得意とする武器も異なり、キャラごとに違った技を楽しむことができた。

『ロマサガ2』以降のシリーズでは、武器で敵を攻撃したときに、キャラクターの頭に電球が点灯して技を閃くという「閃きシステム」が採用されている。『3』では全体のグラフィックが上がり、技のエフェクトがかっこよくなったことで、さらに閃くのが楽しみになった。

 たとえば本作では、前作と同じ名前の技として大剣技「乱れ雪月花」が登場する。『2』ではわりとあっさりとした攻撃だったこの技が、『3』では画面全体に雪が舞い、攻撃と同時に月が現れ、切りつけた瞬間に桜の花が舞い散る美しいグラフィックになっている。

 また『ロマサガ3』における、陣形技のかっこよさも「神ゲー」としての要素のひとつだ。

 本作で通常戦闘に参加するのは5人だが、パーティメンバーを6人まで加えることができ、1人を待機要員とすることができる。そして、主人公を待機要員にしたときに、主人公が他の5人にオートバトルを任せる「コマンダーモード」になる。

 このコマンダーモードがかなり特殊で、自分ではいっさいキャラクターを操作できない代わりに、このモードでしか使用できない陣形技が使えるのだ。

 前作でも登場した斧技の「高速ナブラ」や体術技の「千手観音」もこの陣形技となっており、通常の技同様、陣形技を閃くとキャラクターの頭の上に電球が点灯する。一度に複数のキャラに同時に電球が点灯したときの快感はたまらない。

 それと合わせて、コマンダーモードでのみ使える「合成術」があり、複数のキャラクターが同時に術を使うことで強力な術技を使うことができるのである。

 合成術で紹介したいのが、前作にも登場した術「ギャラクシィ」である。前作は遠くから光線が飛んでくるという、ちょっと地味な技だったが、『3』のギャラクシィは3人が術を唱えることで、太陽系の惑星群が次から次へと飛んできて、最後に太陽が爆発するというとんでもないエフェクトになっている。

 威力もかなりのもの。これがもしリメイクで蘇ったらどのようなエフェクトになるか、想像するだけでもワクワクする。

■本編から離れてハマる人続出のミニゲーム

 また、『ロマサガ3』では、本編とは関係のないミニゲームが、それだけで一つのタイトルとして成立するのではないかというぐらいの豪華さだった。

 まずは、トーマスが仲間にいる状態でプレイできる会社経営のイベント「トレード」。

 これは、各地にある物件を買収し、資産を増やしていくというミニイベントなのだが、これがやりごたえ抜群。自己資金だけでは買収は難しく、様々なかけひき技を使ったり、買収した物件から資金を援助してもらったり、いろいろな方法で買収を進めていくのがとにかく楽しい。

 また、ミカエルを主人公にしたときにだけ発生するイベントがかなり特殊で、玉座に座ると、住民から税金を取ったり、お金を使って産業を発展させたり軍備を整えたりする「施政イベント」を楽しむことができる。

 そして、他国との戦闘になると、「マスコンバット」と呼ばれる、陣形や作戦を駆使して敵部隊を崩していく特殊な戦闘方法になる。

 もはや戦国シミュレーションの『信長の野望』のような内容で、とてもRPGに用意されたミニゲームとは思えないクオリティ。本編を進めるのを忘れて何時間も没頭したというプレイ経験を持つ人も多いのではないだろうか。

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