■良質なドット絵が凝縮された『ファイナルファンタジーV』次元の狭間

 最後に紹介するのは『ファイナルファンタジーV』の「次元の狭間」。このラストダンジョンで印象深いのは、スーパーファミコンのゲームとは思えない美しい映像表現だ。

 砂漠から始まり、森林や洞窟など多彩なフィールドが存在。次元の狭間以外では、ごく一部でしか見られない図書館や、枯れた森林のような地形もあり、これまで冒険してきたほとんどの地形を歩くことになる。

 かなり長い冒険になるが、隠し通路だらけの宙に浮いた城のような場所や、一面青い水晶に囲まれたラストフロアなど、初見の地形があるのも興味深く、飽きがこない構造になっていた。

 また、このラストダンジョンはラスボス以外にも多数のボスが登場。ほとんどのボスが抜け穴的な弱点を持っていたり、特定の手順を踏んで強力なアイテムが入手できたりと、楽しめる攻略要素も充実している。

 フィールドの美しさだけでなく、裏ボスの神竜やオメガ、ラスボスのネオエクスデスなど、スクウェアによる当時最高峰のドット絵技術で描かれたボスのビジュアルも十二分に堪能できる、素晴らしいラストダンジョンだ。

 RPGのラストダンジョンは、冒険の締めくくりに訪れる場所だけあって、さまざまな理由で忘れられないものが多い。皆さんの心に残っている印象深いラストダンジョンは、どのダンジョンだろうか。

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