平成に社会現象を巻き起こし、一つの若者文化として発展していった「ギャル」。平成後期になるとますますギャルブームは勢いを増し、茶髪&小麦色に焼けた肌、派手な肌見せファッションからルーズソックスまで、彼女たちのテンプレとも言えるトレンドが次々と生まれていった。
現在放送中のNHK連続テレビ小説『おむすび』は、橋本環奈さんが演じる主人公が平成のギャル文化に刺激され栄養士を目指すという物語。出演者たちの「ギャル姿」も注目となっている。
あの時代に街を席巻したギャルたちは、当時放送されていたドラマにも及び、平成後期の作品ではしばしばギャルに扮した女優たちの姿が見られた。今回は、当時のドラマでギャルな女子高校生を演じた女優たちを振り返りたい。
■ギャル姿も初々しかった『ドラゴン桜』の新垣結衣さん
まずは、2005年からTBS系で放送された三田紀房さんの同名漫画の実写ドラマ『ドラゴン桜』だ。元暴走族の弁護士・桜木建二が、経営難の龍山高校を進学校にして再建するために学力の低い生徒たちを東京大学へ進学させる物語である。
本作で主演の阿部寛さんとともに注目されたのが、特進クラスの生徒役の若手俳優たち。中でも、水野直美を演じた長澤まさみさん、矢島勇介を演じた山下智久さんという人気俳優に囲まれ、負けず劣らず輝きを放っていた矢島勇介の恋人のコギャル・香坂よしの役の新垣結衣さんは忘れられない。
当時の新垣さんは、ファッション誌『ニコラ』を卒業し本格的な芸能活動を始めたばかり。読者層の小中学生女子からは知名度もあるものの、女優としてはまだ無名に近かった。本作で堂々と演技する姿を見て、ファンになったという人も多いだろう。
演じていたよしのは、最初こそ勇介のために東大を目指していたので勉強にイマイチ身が入らなかったが、学ぶ楽しさに目覚めると自らの意志で東大を目指し、最終的には理科一類に合格するという、変化のある役柄だった。
“ギャル”とはいっても、コテコテではなくどちらかというとナチュラル系。小麦色の肌、キリッとした細眉、白のハイライト、はっきりした囲み目、ダーク系のアイシャドウというギャルメイクのポイントは押さえているものの、新垣さんの可愛らしい雰囲気を残していた。
ちなみに新垣さんはその後、2017年公開の映画『ミックス。』でコテコテギャルを通り越してガングロギャルに挑戦している。こちらは巷のガングロギャルにかなり寄せていて、新垣さんと言われてもわからないレベルだった。