本日10月17日からNetflixにて、『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』が配信開始となる。本作は『ガンダム』シリーズ第一作で描かれた「一年戦争」におけるヨーロッパ戦線を舞台に、“白い悪魔”と呼ばれるモビルスーツ(MS)・ガンダムを擁する連邦軍と、それに対抗するジオン軍との戦いが描かれる。
本作には「ガンダムEX」というМSが登場することがわかっているが、予告編を見ただけでも、ジオン軍にとってガンダムがいかに脅威であったか、その恐怖がひしひしと伝わってくる。
そこで今回は、ガンダムが“白い悪魔”と呼ばれるゆえんともなった、アムロ・レイというパイロットがジオン軍の兵士たちを恐怖に陥れたシーンを振り返っていく。
■集中砲火など意味を成さない驚異の無双劇
まずは、第6話「ガルマ出撃す」でのシーンから紹介しよう。
ジオン軍の勢力圏内に降下してしまったホワイトベースの面々が、敵の包囲網を突破するべく奮戦するこの回。アムロはザクII3機と複数のマゼラ・アタックが布陣する戦場への出撃を余儀なくされる。物量差からなる集中砲火に晒され一時は気を失ったアムロだが、再び息を吹き返すと一気に戦場を蹂躙し始めるのである。
1機のザクに狙いを定めると武装を捨て身軽になり、ローリングでザク・マシンガンを避けながら全速力で突進。あっという間に懐に飛びこんだアムロは、ザクの口元の動力パイプを掴んでマゼラ・アタックに投げつけ、武器を使わずに一瞬で2機を撃破するのである。
まるで恐怖に慄いたかのように全機後退するマゼラ・アタックに対して、ビーム・サーベルを振りかぶり走り出すアムロ。ギンギンの目つきでマゼラ・アタックを次々と両断し、正面からザク・マシンガンを浴びても止まることはなく、十文字切りでまるでそこにザクなどいなかったように駆け抜けるのである。
切られる直前のザクが一瞬見せた「えっ……」という挙動や、一連を見ていたハヤトも「アムロ! お前……」と引いてしまうほどの無双劇だった。
ちなみにガンダムが出撃後に放ったビーム・ライフルだが、こちらは一発も撃ち漏らすことなく狙ったマゼラ・アタックに全弾命中しているという事実も、ただただ恐怖である。
■悪魔が唱える恐怖の数え歌
続いては、第33話「コンスコン強襲」で見られたシーンだ。
中立コロニー・サイド6領空外の浮きドックに向けて航行中のホワイトベースに対し、ジオン軍のドズル・ザビより放たれたコンスコン艦隊。不意を突くように出撃したリック・ドム12機とホワイトベース隊が激突するシーンだ。
開戦直後、ガンダムに向けて砲撃しながら飛び回るリック・ドムに、アムロはビーム・ライフルを一発お見舞いし、「1つ!」とカウントしながら次の目標を見据える。砲撃を華麗に避けながら応戦し、さらに1機、そして背後の敵まで撃破すると「3つ!」と撃墜数を増やす。
その後も、リック・ドムのメインカメラをいったんヘッドバルカンで破壊し、視界を奪ってからビーム・ライフルで撃ち抜くという離れ業を見せながら、「5つ!」「6つ!」とカウントを重ねていくアムロ。
スレッガー・ロウらほかのホワイトベース隊の面々も奮戦し、3機のリック・ドムが撃墜されるなか、アムロのカウントも気づけば8つ。
ガンダムの頭上からヒートサーベルを突き立て接近してくるリック・ドムに瞬時に気づいたアムロは、ビーム・サーベルによるカウンターで両断し「9つ!」と、呟いた。
実時間でわずか2分の間に起きたこの劇的な展開は、一部ファンの間で「アムロの数え歌」とも呼ばれ、聞こえたが最後、“負け確演出”となっている。
数で圧倒していたはずのリック・ドムのパイロットたちも、ともに戦った仲間たちが目の前で次々に撃墜されていくのは相当恐ろしかっただろう。地獄の光景を目撃したパイロットたちは何を思い散っていったのか……。最後の最後まで勇猛に戦い抜いたジオンの兵士たちにも敬意を評したい。