はんにゃのめん、まじんのよろい、はめつのたて…歴代『ドラゴンクエスト』シリーズ「呪いの防具」は本当に「最悪」だったのかの画像
画像は『ドラゴンクエスト』『ドラゴンクエスト3』『ドラゴンクエスト5』『ドラゴンクエスト8』『ドラゴンクエスト11』(編集部撮影)

ドラゴンクエスト』シリーズでは、冒険の途中に数々の魅力的な防具・武器が登場する。初期作品では装備を変更しても見た目の変化は起こらず、説明書や攻略本に描かれたそれらアイテムのイラストを見ては、実際に構えたときのかっこよさを想像して胸を躍らせたものだ。

 上腕に固定して装着する「おおばさみ」、腕にスポッとハメる形状をした「ドラゴンキラー」、きわどいデザインをした「あぶない水着」などなど、同シリーズのかっこいい武器・防具は数えきれないが、「呪い」がかかってしまうマイナス要素を持つ「呪いの装備」もまた、妖しい輝きを放っていたアイテムのひとつではないだろうか。

 そんな呪いの装備の初登場は、シリーズ1作目の『ドラゴンクエスト』。「のろいベルト」「しのくびかざり」の2つのアイテムは、なんとラダトーム城に入城できなくなるという凶悪な呪いがかかるものだった。

 そこで今回は、そんな『ドラゴンクエスト』シリーズに登場する「呪いの防具」について、メリット・デメリットを紹介しながら振り返りたい。

■使い勝手は限られるが最強「はんにゃのめん」

「はんにゃのめん」は、『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』に登場する頭用防具で、その名の通り、能で使われる「般若の面」のデザインをしている。すさまじい守備力が特徴で、その守備力はなんと「255」という驚異的な数値を誇り、『ドラクエ』シリーズ全体でもトップクラス。防御面だけ見れば、まさに最強の装備と言える。

 しかし、最強の守備力には大きな代償がともない、装備すると常に「混乱状態」になってしまう。しかも、この混乱は「永続的」で回復不能。通常の混乱のように、パーティーアタックで正気に戻すこともできず、装備したキャラクターは完全に制御不能に陥ってしまう。

 そんな一見デメリットだらけの「はんにゃのめん」だが、唯一「一人旅」で有効に使うことができる。『ドラクエ3』では、パーティが一人の状態であれば、混乱していても通常通り行動できるという仕様があり、「はんにゃのめん」の「255」の守備力のみが力を発揮するのだ。

 特に、「勇者一人でバラモスを討伐する」といったチャレンジにはうってつけの装備になる。

 そんな凶悪さが目立つ「はんにゃのめん」、11月に発売されるHD‐2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』でも登場してほしいところだ。なお、「はんにゃのめん」は『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』でも石版クリア報酬で入手できるが、『ドラクエ3』のような使い方はできない。

■実は使い勝手がいい「まじんのよろい」

「まじんのよろい」は、『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』から『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』まで登場する鎧だ。どのシリーズも冒険中盤から終盤にかけて入手できる。

 まじんのよろいは、呪いの影響で装備すると素早さが「0」になるというデメリットが生じる。一見不利に思えるかもしないが、素早さが「0」ということは、ほぼ確実にそのターンの最後に行動できることを意味する。この特性を利用することで、戦術的な使い方が可能になる。

 例えば、ターンの最後に回復呪文を唱えて、ターン中に受けたダメージを癒したり、「いてつくはどう」で解除された補助魔法を再度掛け直して次のターンに備えるといった動きが可能。また、終盤で手に入るだけあって、守備力も非常に高く、物理攻撃に対する耐久力も申し分ない。

 さらに、呪文やブレス攻撃に対する耐性も持っており、ただの呪われた装備とは言いがたい性能を誇る。「呪い」と聞くとネガティブなイメージが先行しがちだが、実際には「まじんのよろい」は戦略次第で大いに役立つ一品。「呪いとは?」と思わず問いかけたくなる、そんな装備だ。

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