■若者のあるあるネタがじわじわくる「SURVIVE!」シリーズ

 2013年には、困難に立ち向かう若者をパロディ全開で描いた「SURVIVE!」シリーズが始まる。まずは、社内の公用語を英語にすると通告された社員たちが外国人上司に戸惑いながらも、つたない英語で立ち向かう姿を映画『ラスト サムライ』のような世界観で表現した「グローバリゼーション篇」がスタート。

 300人以上のエキストラを使ってニュージーランドで撮影したという壮大なスケールとなっていて、「英検3級なめんな―!」と突っ込む社員たちはもはや武士そのものである。

 続いて、映画『グラディエーター』っぽく合コンに挑む若者VS肉食系女子(トラ)を描いた「はじめての合コン篇」、SNSのいいねを欲しがるリア充に立ち向かう若者を描く「リア獣との闘い篇」と、思わず「わかる」と頷いてしまうネタが次々と登場。

 最後の第4弾は、就職氷河期を戦い抜く就活生を描いた「就職氷河期篇」。CGで氷に飲まれた街並みやシロクマを再現し、シロクマが圧迫面接官だったり震える主人公ら集団の横を談笑しながら通り過ぎる集団がインターン生だったりと、作り込みも細かい。ちなみに、就活生役で竹内涼真さんや緑友利恵さんも出演している。

■トップアスリートの妙技に痺れた「SAMURAI」シリーズ

 2014年のブラジルワールドカップでは、グローバルCM「サムライ in ブラジル」を発表。甲冑に身を包んだ侍が突如ブラジルの街中でフリースタイルフットボールを披露するという内容で、クールな演出に世界中の注目が集まった。

 2015年には和装の錦織圭選手がアメリカに渡り、木刀でテニスの妙技を魅せる「SAMURAI,FUJIYAMA,CUPNOODLE」の第4弾「SAMURAI-K篇」がオンエアされている。そして2016年には、「7 SAMURAI篇」がスタートした。

 登場するのは甲冑姿の侍6人とくノ一1人で、CMは彼らが世界中で甲冑を身に着けたままサーフィン、スケートボード、BMX、フリースタイルスキー、スラックライン、ポゴスティック(ホッピング)、フリースタイルフットボールの技を披露するというものだ。

 侍を演じたアスリートは、アドリアーノ・デ・ソウザ(サーフィン)、マイケル・メナ(ポゴスティック)ら海外勢が多数。

 日本人は、徳田耕太郎さん(フリースタイルフットボール)、遠山巧さん(フリースタイルスキー)、紅一点のくノ一・福田恭巳さん(スラックライン)である。観客のリアルなリアクション、甲冑で身軽に動き回るアスリートたち、ダイナミックなカメラワークと、実にクオリティの高い作品だった。

 コミカルさ全開のパロディ作品からクールな作品まで、常に我々を楽しませてくれる日清食品のCM。他にも、芸能人を起用したコメディものまでありジャンルは幅広い。あなたのお気に入り作品はどれだろうか。

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