ヤキソバンからフレディ・マーキュリーまで「なにかと攻めすぎ…!」 思い出の「日清食品」平成の名作CMプレイバックの画像
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 奇想天外なネタCMを次々と制作し、そのたびにぶっ飛んだ内容に注目が集まる「日清食品」。近年は、「そろそろ谷川」や「はじめまして松尾です」といった人気クリエイターとのコラボを始め、ゲーム『エルシャダイ』とのコラボまで、SNSやネットで流行っているネタを取り込んだ“攻め”のCMを多く生み出している。

 日清はこれまでにも、時代の先を行く革新的なCMを多く手掛けてきた。そこで今回は、平成に人気を博した日清のCMを振り返ってみよう。

■みんなマネした?「U.F.O.仮面ヤキソバン」シリーズ

 まずは1993年にオンエアされた「U.F.O.仮面ヤキソバン」を見ていこう。アニメーターのさとうけいいちさんによって生み出されたヤキソバンは、頭にカップ焼きそば「U.F.O.」を乗せ、U.F.O.マントをはおり、ヤキソバン寝袋で寝るというインパクト特大な正義のヒーローだ。

 影山ヒロノブさんによるテーマソング、「あげ玉ボンバー」「ソースビーム」などの覚えやすい必殺技が視聴者の心を掴んで、このCMはグッズやビデオが発売されるほどの人気シリーズに。さらには、懸賞から生まれたゲーム『U.F.0.仮面ヤキソバン ケトラーの黒い陰謀』までスーパーファミコン用ソフトとして発売された。

 そして、ヤキソバン役のマイケル富岡さんをはじめ、宿敵・ケトラーを演じたデーブ・スペクターさん、にせヤキソバンを演じたオスマン・サンコンさんも一躍時の人となる。

 一度は契約切れで母星に帰ったヤキソバンだが、2016年に「エクストリームZERO! 〜ヤキソバンの悲劇〜 篇」で復活を果たす。しかし、酒浸りの無職となった彼は、ダークサイドに落ちてしまった。ここからは壮大なスケールで描く『スター・ウォーズ』のオマージュとなる。

 時を経て悪の皇帝バッド・ゲドウとなったヤキソバンは、成長した息子のヒーロー・ソース(吉川晃司さん)と対峙するのだった……。長期に渡って描かれたヤキソバンの数奇な運命。ここまでくると、もはや映画である。 

■カンヌ国際広告祭受賞、細部まで面白い「hungry?」シリーズ

「カップヌードルのCM」で印象的なものの一つが、1992年からオンエアされた「hungry?」だ。シンプルな中に「食欲」というテーマを織り込んだ同シリーズを生み出したのは、「ペプシマン」「Jリーグ」などをデザインしたアートディレクターの大貫卓也さんである。

 CMは大平原の中を空腹の原始人たちがマンモスなどの絶滅動物をワーワーといかけまわすコミカルな内容で、子どもの動物を追いかけて親の逆襲にあったり、モアを追いかけて自分たちが崖から落ちたりと、何かと要領が悪くうまく食料を確保できない原始人たちが非常に可愛らしい。

 この小さな原始人は人間のエキストラで、動物は粘土作りのキャラをコマ撮りしたもの。大貫さんは彼らをカリフォルニアの大平原で実際に走らせ、細かな動きまで指示を出したのだとか。彼らの動きに、元プロ野球選手のアニマル・レスリーさんによる力強い「hHungry?」のセリフが絶妙にマッチしていた。

 同シリーズはその後、「シンテトケラス篇」と「モア篇」でカンヌ国際広告映画祭でグランプリを獲得する。

■超大物アーティストも登場した「替え歌」シリーズ

 2010年からは、大物アーティストの楽曲を起用した「この味は、世界にひとつ。」シリーズがオンエアされた。同シリーズの見どころは、“空耳アワー”のようなパロディ替え歌である。

 第一弾は、MISIAさんの『Everything』だ。CMは同曲のMVを流し、本人が歌い直したという替え歌に合わせて映像の口元をCGで加工するという手の込んだもの。そして、この手法はこの後の作品にも引き継がれていく。

 続いて、人気バンド・ジャミロクワイのヒット曲『Virtual Insanity』、第3弾ではGLAYが『HOWEVER』を、第4弾ではBONJOVIが『You Give Love A Bad Name』を使用。第5弾では、なんとQUEENのフレディ・マーキュリーのソロ曲『I Was Bone To Love You』の替え歌が使われた。

 フレディ・マーキュリーは故人。つまり、替え歌に関してはすべて他者の歌声を乗せているのだ。他の海外アーティストも同様で、誰が歌っているのかが気になるところだが、本人としか思えない歌声ばかり。しかし詳細は企業秘密だそうだ。

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