■いきなり尻見せで不死身の肉体を持つ主人公!『ついでにとんちんかん』の間抜作

 1985年から連載が始まったのが、えんどコイチさんの『ついでにとんちんかん』だ。主人公は「怪盗とんちんかん」のリーダーであり、中学校の教師でもある間抜作(あいだぬけさく)だ。

 「いきなりしり見せ」という必殺技(?)を毎週のように披露し、自他ともに認める“アホ”である。怪盗のリーダーなのに、いとも簡単に警察に捕まったりもするのだが、敵にどんな攻撃をされても不死身の肉体なので死ぬことがない。なんと次のコマには復活しており、もはや常識で判断できない何でもありの存在といえよう。

 ちなみに筆者は、小学生時代によく抜作の似顔絵を描いていた。単純な顔立ちで描きやすい似顔絵キャラだったので、おそらく誰もが一度は試したのではないだろうか。

 ギャグ漫画の王道ともいえる下ネタを随所に挟み込み、いきなり一話から一糸まとわぬ姿になったりもしていた抜作。破天荒な主人公だった。それにしても、ジャンプ漫画で下ネタ鉄板の主人公なんて、抜作とターちゃんくらいではないだろうか……。

 

 硬派な作品も多い80年代の『ジャンプ』だが、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』や『ジャングルの王者ターちゃん♡』など、ほかにも令和に語り継がれる名作ギャグ漫画が多く登場した時期でもある。

 大いに楽しませてくれたギャグ漫画の主人公たち。彼らのおかげで、月曜日を楽しく感じられたものだった。

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