伏線が巧みに張られていることでも知られる『ONE PIECE』。本作では何気ないセリフの中に重要な言葉が隠されていることもあり、隅々まで読んで考察するファンも多い。最終章に突入して伏線の回収が続々とおこなわれ始めているため、これまで登場した気になる描写も再注目されている。
本作では、意味ありげなセリフが登場してから何年も経ってその真意が明かされることも少なくない。そこでこの記事では、今おさらいしたい「意味深セリフ」を振り返っていこう。
■ドフラミンゴ「おれが聖地マリージョア内部にある重大な国宝の事を知っているからだ」
長年王下七武海として君臨していたドンキホーテ・ドフラミンゴは、裏社会に精通したブローカー「ジョーカー」という顔も持っていた危険な男だ。海賊でありながら元天竜人でもある彼は、世界政府や聖地マリージョアについての情報も握っていた。
そんな彼の発言の中で気になるのが、76巻761話「オペオペの実」でトラファルガー・ローに対して発したものだ。ローの食べたオペオペの実は、ドフラミンゴにとって切り札の一つだった。とある日に、ドフラミンゴの手中にオペオペの実の能力があったなら、マリージョアにあるという国宝を利用して、世界の実権も握れていたというのだ。
マリージョアは、いまだ多くの謎がある地だ。誰も座らないはずの「虚の玉座」に座るイム様という存在や、地下奥深くに眠る巨大な麦わら帽子など、気になるポイントがいくつも存在する。
そして世界の実権を握れるほどの国宝とは一体何なのか、それに「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」との関わりがあるのかどうかは、今後の展開を考えるうえで重大な伏線になっている可能性もありうるだろう。
■カイドウ「ロジャーが能力者じゃなかったように…!!!」
世界最強の生物と呼ばれたカイドウは、ルフィを幾度となく倒すほどの実力者だ。最終的にルフィはカイドウとの戦いで、ヒトヒトの実幻獣種モデル・ニカの能力を引き出すことで、何とか勝利をおさめている。
そんな戦いの中で、カイドウが気になるセリフを残している。彼は104巻1047話「都の空」にて、「“能力”が世界を 制することはない!!!」「世の中はうまくできてる ロジャーが能力者じゃなかったように…!!!」とルフィに伝えているのだ。
これはかなり衝撃的な発言である。なぜならそれまで、海賊王ゴールド・ロジャーは天候を操る悪魔の実の能力者という説や、万物の声を聞ける悪魔の実の能力者という説が、長年囁かれていたからだ。
天候を操る能力者の根拠は、劇場版特典の0巻で明かされた金獅子のシキとの戦いで突然の嵐がシキの大船団を襲い、ロジャー海賊団が生還を果たした過去である。しかしカイドウのセリフにより、このエピソードはロジャーの能力の伏線になっていたわけではなかったと判明したわけだ。
さらに、海王類の声や、物言わぬ石であるはずの「歴史の本文(ポーネグリフ)」の「声」をとらえるという「万物の声」を聞く不思議な能力も、悪魔の実ではなかったということになる。
不思議なことに、この能力はルフィも持っている。ルフィはロジャーほどではないが、海王類や巨象ズニーシャの声を聞くことができる。見聞色の覇気の究極系と考えられそうでもあるが、それだけでは説明がつかない現象でもあるのだ。ちなみにこのふたり以外では、光月おでんやモモの助が似た能力を持っている描写があった。
ロジャーとルフィに共通する「万物の声を聞く力」は、最終章では大きな意味を持ってくるはずだ。もしかしたらこの力は、海賊王になるために関係するものでもあるのかもしれない……?