「ルイーダの酒場」に「作戦コマンド」、「ダーマ神殿」も…社会人目線で現実社会にぜひ欲しい『ドラクエ』のあれこれを考察の画像
『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』公式サイトより  (C)1988, 2019 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX All Rights Reserved. (C)SUGIYAMA KOBO

 ファミコン時代の名作『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』が、今年11月にHD‐2D版でリメイクされる。それを受け、『ドラクエ』の話題が周囲でも持ちきりの今日この頃。知人と『ドラクエ』の話で盛り上がれるなんて……なんだかファミコン時代に戻ったようだ。

 子どもの頃と大人になってからでは、同じゲームでも受け取り方が変わってくる。無邪気に遊んでいた当時と違って、現実的な価値観でゲーム内容を見つめてしまったりするのだ。そんななか、社会人になってから現実社会に欲しい『ドラクエ』の何かといえば? と考えてみた。装備や呪文、アイテム……いやいや、それ以外に本当に欲しいものを3つ挙げてみよう。

■まるでビジネスマッチングアプリ? 同士を集って大企業からフリーランスまで集められる「ルイーダの酒場」

 まずは『ドラクエ3』で初登場した「ルイーダの酒場」だ。ここは、冒険の仲間を集うことができる“出会いと別れの場所”だ。

 社会人として仲間を集うとしたら、「研修会」や「勉強会」になるのだろうか。いや、SNSが発展した現代社会であれば、ここは「ビジネスマッチングアプリ」に相当するかもしれない。自分の目的に合う仲間が集う酒場なんて、最高ではないか。

 「ルイーダの酒場」では一応、勇者である自分が名刺(プロフィール)を持っていき、目的達成のために協力できそうなタイプ別の人材を探す。

 力業でゴリ押し得意な戦士タイプの営業マンや、振り返らない武闘家タイプのマスコミ人、人当たりのいい商人タイプのディーラー、一生懸命で癒し系の僧侶タイプの看護師、頭がよくてずる賢い魔法使いタイプの公務員、遊び人の起業家……などなど。接待じゃないんだから……と思いつつ、全体的になんか楽しそうだ。

 なるほど、企業務めからフリーランスまで集められるなら、あらためて考えてみるととても素敵な場所である。ただ、一緒に冒険へと旅立とうものならまとめるのも一苦労な気がするが……。そもそも、それぞれの社会的な“肩書”が何かと影響してきそうだ。

 元気がいいのに最後のおいしいところだけ持っていく営業マンなら、プライドと装備品が高そうだし、素早いけど猪突猛進型の武闘家マスコミ人もフォローが大変そう。もちろん、そんなわがままなタイプばかりではないはずなので、自分に適した良い出会いに期待したいところである。

 あ、でも宿屋で割り勘にしてきそうな遊び人の起業家ってのもなんか嫌だな。せめて経費で落としてほしい……。

■細かい指示っていらなくない? 同じ目的を遂行するのに最適な「作戦コマンド」

 社会人生活が長くなると、腑に落ちない上司の指示に頭を悩ませてしまうときがある。恐らく、ほとんどの人が経験済みだろう。細かいのに分かりにくい上司の指示ほど、仕事は捗らなくなってしまう。

 「お前が仕事できないからだ」なんて言われてしまいそうだが、新人じゃないんだから、やっぱりある程度信頼して仕事は任せてほしいもの。そこで、本日の指示を「作戦コマンド」にしてもらうのはどうだろうか。

 「ガンガンいこうぜ」いや、こればかりだと、さすがに品質に不安が……。

 「おかねをせつやく」上司の手柄にしたいだけ。(ゲームだと“おかね”は“じゅもん”)

 「いのちだいじに」安全第一ってことだね。

 「みんながんばれ」これ以上なにを頑張れと?

 「おかねつかうな」分かりましたよ……もう。

 「めいれいさせろ」それだけは勘弁を……。

 「おれにまかせろ」これにしてくれよ。

 こう考えると、「おかねをせつやく」か「いのちだいじに」程度になってしまう。アバウト過ぎるか……。でもやっぱり「おれにまかせろ」、いわゆる「君に任せた」と言ってくれる上司に憧れてしまうものだ。

 いや、でもこれって上司に面と向かって「自分に任せてください」と言っているようなもの。一般的になかなか言えないものだよね……。

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