■卓越した演出の数々、魅力的なキャラクターたち…『夢幻戦士ヴァリス』
1980年代、露出が多く色っぽい「ビキニアーマー」を身にまとった女性がファンタジーの世界で戦う……というコンセプトのアニメ作品が多数登場した。そんな世界観をいち早くゲームに落とし込んだのが、1987年にファミコン版が発売された『夢幻戦士ヴァリス』(徳間書店)だろう。
数多くのハードに移植されたシンプルな作りの横スクロールアクション作品で、プレイヤーは「ヴァリスの戦士」に選ばれた主人公・麻生優子を操作し、襲い掛かる魔物を撃破しながらステージクリアを目指していく。
当時、女主人公を採用した点も非常に珍しかったが、なによりプレイヤーたちに大きなインパクトを与えたのがやはり、優子が披露する「ビキニアーマー」姿だ。
ゲーム開始直後はセーラー服を着ている優子だが「ヴァリスの戦士」として目覚めることで、途中から金色の胸当てと白いスカートのビキニアーマー姿へと変身する。
デザイン自体はシンプルであるものの、“ビキニアーマー”を身に纏った優子のビジュアルは当時、多くのプレイヤーたちを魅了し、なんとのちに“ファンクラブ”も結成されているというのだから驚いてしまう。
美少女キャラたちを魅力的に表現した、いわゆるギャルゲーとしてのエッセンスも取り入れた作品なのだが、一方でゲーム全体の難易度はかなり高め。クリアするには、慣れと諦めない心が必要となるだろう。
高難易度でありながら、卓越した演出の数々でプレイヤーたちを惹きこんだ名作だ。
ファミコン作品に数多く登場する「ビキニアーマー」は、新たな“戦う女性像”を見せつけ多くのプレイヤーたちを魅了した。パッケージに描かれたその魅力的な姿に心奪われ、作品を手に取ってしまったプレイヤーも少なくないのではないだろうか。