■キャッシュレスの先駆け!? バーコード決済
日本で最初に登場したバーコード・QRコード決済は、2003年に始まった「Cmode」だ。ただこれはあまり浸透せず、近年になってから一気に広がりを見せた。一方、『こち亀』では2001年掲載の「驚異のシルバーIT!の巻」で、バーコード決済を描いている。
最新コンポを使いこなせない部長を見た両さんは、シニア向け家電が21世紀型ビジネスとして伸びると読み、次々と商品を生み出した。携帯電話の開発にも乗り出すがなぜか老人には不評。調べてみると、みな最新携帯を使いこなしていた。そして、両さんのお爺さんが営む携帯教室で登場したのが、バーコード決済機能搭載の最新機種”EDO9900”である。
これはパスワードと口座でリンクし、バーコードを読み込むとキャッシュカードのように使える代物で、紛失したときは電話でパスワードを打ち込めば機能が停止し、GPSで探せるという優れモノ。さらにビデオオンデマンド機能(1本500円)がつき、独自のホットラインまであるというから驚きだ。
■80年代に実現していたリモート飲み会
また、コロナ禍には「リモート飲み会」が『こち亀』で予言されていると話題となった。
掲載されたのは1988年の「テレビでこんにちは!の巻」。このエピソードは、月300円に減給されボーナスもカットされた両さんが、日給2万円のバイトに行くというもの。バイト先は同窓会を仕切るイベント会社なのだが、実際の参加者は会場にはおらず。両さんたちスタッフがテーブルの両側に大量のブラウン管モニターを向かい合うように並べると、画面越しのクラス会が始まるのだ。
このリモート同窓会は、参加者に事前に届けてあるモニターテレビを電話機に繋ぎ、電話回線を利用して会場と中継するというもの。テレビを送る手間や経費、回線のセッティングなど大変ではあるが、画期的なビジネスである。
さらに凄いのが、背景を変えられる顔出しパネルつきという点だ。これにより、国内にいても海外在住を装えるのである。まさに現在の背景フィルター機能そのものだ。多対一で会話する際はモニタを一箇所に集中させねばいけなかったり、微妙にアナログな面を残していたが、現在のネットワーク環境を予言していたといっても過言ではないだろう。