■美女と野獣の恋模様も必見! 桑田佳祐さんの歌う曲もピッタリ
『静かなるドン』は、主人公の静也と彼が憧れるマドンナ・明美との恋模様も見どころだった。
原作漫画ではうだつのあがらないサラリーマンの静也と美しい明美の関係から、まるで『美女と野獣』のような恋模様が描かれているが、ドラマでもコミカルな印象の中山さんの静也と美人女優の石田さん演じる明美との役柄が非常にマッチしていた。
サラリーマンの静也に対してはイマイチな印象でも、ヤクザになった静也に惹かれる明美の動向に、この先二人はどうなるのか、正体はバレてしまうのかと、固唾をのんで進展を見守った視聴者は多かっただろう。
また、桑田佳祐さんの歌う本作のエンディング曲『祭りのあと』も良かった。冒頭から男の情感を歌いあげており、まさに本作にピッタリの曲だった。第18話の「命がけの恋! おまえだけが死ぬ程好きさ」という、歌詞からとったであろうタイトルも印象的だった。
1994年に放送されたドラマ『静かなるドン』。今ではなかなか目にすることのない、肩パットの入った白いスーツで立ち回る中山さんの姿が30年経った今でも印象に残っている。
ちなみに原作漫画は2012年に終了しているが、その人気から復活を望む声も多かった。筆者の新田さんは読者の要望にも応える形で、現在は『静かなるドン―もうひとつの最終章―』を連載している。
まだまだ人気の衰えない作品ゆえに、漫画版も実写版も両方チェックしてみるのがおススメだ。