■ファイナルのラストにも響く…「正義なんて言葉 口に出すな」「心に秘めておけ」
第2話「愛と復讐の宅配便」では和久さん宛に爆弾入りの健康チェアーが届いた。彼を恨んでいる人間が送ったものなのだが、和久さんは何も知らず座ってしまった。立ち上がると爆弾のロックが解除されるので、身動きがとれない和久さんと下手にワイヤに触れて指が離せなくなった青島。
和久さんが青島にどうして逃げなかったのか聞くと、青島は「悪党の思うまんまっていやじゃないすか」と言う。その後、怖くないのかという問いに「いや…怖いですよ でも正義を楯にしていますから」と答えたところで、和久さんは「正義なんて言葉 口に出すな」「死ぬまでな 心に秘めておけ」と遮る。
和久さんは「刑事は犯人に恨まれるんだ」と言い、「だからって犯人を恨むなよ」「この仕事は憎しみ合いじゃない」「助け合いなんだ」と諭していた。
そして、映画シリーズの『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』では、6年前の誘拐殺人事件の復讐劇のような展開が起こる。
湾岸署署長・真下正義の息子が誘拐されてしまい、6年前の被害者のように殺されそうになってしまうのだ。これは正義を持って警察組織を改革しようとした管理官・鳥飼誠一を中心に、警察官僚が引き起こした事件である。
青島がラストシーンで鳥飼と対面して、「正義なんてのは胸に秘めとくぐらいがいいんだ」と静かに語るのが感慨深い。
ドラマ序盤の名言が、ファイナルと銘打っている映画のラストシーンで使われるのはお見事だった。
本作の事件では、もし和久さんがいたら復讐に同情しないだけに、鳥飼たちを平手打ちで叱りつけていたような気がする。
新作映画も楽しみな『踊る大捜査線』シリーズ。また和久さんの名言が繰り返されるシーンがあるかどうかも、気になるところである。