■クールで冷静な主人公を演じたともさかりえさん

 そして、冷静沈着なアウトロー女子・アサミを演じていたのは、90年代のドラマで引っ張りだこだったともさかりえさん。リーダー格だが、最初は敵の越山側にいてメンバーとは対峙していた。越山が父殺しの真犯人だと知ると、エリが殺されたことを機に仲間となり、メンバーとの信頼を深めていく。最後の最後で越山の車を爆発させて仕留めるも、自身も銃弾を浴びていたため、淀橋とともに命を落とした。

 ともさかさんは、同作が連ドラ初主演作。それまでどちらかというと明るいキャラが多かったが、アサミというクールでカッコイイ女を演じ、役者としての幅を広げていった。現在も女優活動を続けており、2024年には『新宿野戦病院』(フジテレビ系)や『くるり〜誰が私と恋をした?~』(TBS系)など人気ドラマに出演している。

■歌手としての活動も印象的だった知念里奈さん

 メンバー唯一の生存者となったのが知念里奈さん演じるマドカだ。アサミと淀橋が死亡し、戦いが終わりを迎えると、場面は南関東女子刑務所へと切り替わる。

 面会に来たカナエと会話を交わしたマドカが独房に戻ると、扉が開き目の前に死んだはずの4人が現れた。「待ってたわよ」と微笑みながら迎えるマドカ。5人は手を取り合い、光に包まれながら消えていくのだった。まさかの消滅エンドには驚いたが、このオチはマドカの夢だったということなのだろうか……。

 当時の知念さんは、デビューしたてながら歌手・女優として華々しい活躍をしていた。歌手としての人気は高く、楽曲も次々とヒット。テレビでは毎日のように彼女の曲が流れていた。2000年代に入ると、活動の場を舞台にシフト。『レ・ミゼラブル』などの有名作品に参加し、2025年には世界初演の『ケイン&アベル』への出演が決まっている。

 また、以上6人の他に、パスワードの重要な鍵を握っていた車椅子の少女・カナエを演じていたのが、同年にデビューしたばかりの深田恭子さんだったりと、豪華キャストだった『FiVE』。残念ながらDVD化はされていないが、チャンスがあればぜひチェックしてみてほしい。

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