『ドラゴンボールZ』や『H×H』、『ONE PIECE』にも登場…原作にはないけど好き! 秀逸すぎた「アニオリエピソード」の画像
アニメ『ドラゴンボールZ』たったひとりの最終決戦 フリーザに挑んだZ戦士孫悟空の父

 アニメ作品には、原作にはないアニメオリジナルエピソードが存在する。そんな“アニオリ”のエピソードは、ときに原作の漫画を補完し、キャラクターの魅力をより深く掘り下げてくれる。

 なかには、その完成度の高さからファンの心に深く刻まれるものもあった。そこで今回は、アニオリエピソードのなかでもとくに秀逸だったものを厳選して紹介していく。原作をリスペクトしつつ、自由な発想で展開されるアニオリならではの魅力に迫りたい。

■『ドラゴンボールZ たったひとりの最終決戦〜フリーザに挑んだZ戦士 孫悟空の父〜』

 まずは、アニメ『ドラゴンボールZ』のスピンオフ作品『ドラゴンボールZ たったひとりの最終決戦 〜フリーザに挑んだZ戦士 孫悟空の父〜』での、アニオリエピソードだ。

 本編の第63話と第64話の間に放送されたテレビスペシャルで、孫悟空の父であるバーダックが主人公となる物語だ。

 サイヤ人の潜在能力を恐れるフリーザが、惑星ベジータごとサイヤ人を消滅させようと画策。それに対しバーダックが、惑星ベジータ、そして息子・カカロットの運命を変えるため、最強の敵・フリーザに立ち向かうストーリーとなっている。

 原作者である鳥山明さんが本作について「アニメで印象に残っているエピソードで、劇場版・TVスペシャルの中で一番好きな作品」と答えており、また「僕だったら絶対描かない話。いい意味で違うドラゴンボールを見ている感じがする」と語るなど、存在感のある作品に仕上がっている。

 原作では回想シーンの2コマのみの登場だったバーダックを、アニオリでここまで魅力的に描いたのはさすがである。さらには、悟空のルーツにも迫る内容となっており、本編で闘うことになる悟空とフリーザの因縁をも強調するようなものとなった。原作ファンなら、ぜひとも見ておきたいエピソードの1つだ。

■『HUNTER×HUNTER』軍艦島編

 1999年版のいわゆる旧『HUNTER×HUNTER』にあったハンター試験の「軍艦島編」は、次の展開をさらに面白くするようなアニオリエピソードだった。

 アニメ第18話〜20話で放送された「軍艦島編」は、ハンター試験・第三次試験ののちにおこなわれた第3次エクストラステージだ。

 4次試験会場へ向かうゴンたちハンター試験受験者は絶海の孤島に取り残されてしまい、そこに10年に一度の大波と大竜巻が迫る。それを受験者みんなで協力し、島を脱出するという内容となっている。

 本エピソードでは、それぞれのキャラの特徴や良さが見事に描かれている。たとえば、アモリ3兄弟をはじめ、おのおのが好き勝手に行動してしまうメンバーをまとめるべくリーダーを買って出るハンゾー。ブリッジで的確に指示を出すクラピカ。しっかり働くボドロとゴズの武道家コンビに、ちょっとイイ感じのポックルとポンズ。さらに、原作では狡いところが目立っていたトンパも、ゴンのために意外な働きを見せていたりもする。

 さらに、ヒソカとギタラクルことイルミも最後にニクい働きを見せ、イイところを持っていった。

 そのほかの受験者たちもそれぞれが活躍しており、このアニオリの第三次エクストラステージが、原作では描き切れなかったキャラの深堀になっているように思う。これにより、続く4次試験、ゼビル島でおこなわれたサバイバルゲームの攻防がより楽しめるものとなっていた。

 ちなみに、ボドロとゴズ、ポックルとポンズなどは、のちの本編で描かれた彼らの運命を考えると非常に切なくなってしまうほど。各キャラがどういう活躍を見せていたかは、ぜひアニメで確認していただきたい。

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