■派手な大技の数々で地味なんて言わせない! 『イナズマイレブン』目金欠流
サッカーをド派手に楽しめるとして一躍人気を博したのが、レベルファイブから発売された『イナズマイレブン』シリーズだろう。2008年にニンテンドーDS用ソフトとして初代作品が登場して以来、ゲームの続編作品はもちろん、アニメや漫画などのメディア展開もされた。
本作には個性豊かな選手たちが登場し、身につけた特殊能力を駆使した異次元のサッカーを展開していく。なかでも、レベルを上げることでとんでもない技を覚えるキャラクターといえば、初代作品から登場している目金欠流(めがねかける)だ。
名前の通り眼鏡をかけた少年で、雷門中の2年生としてサッカー部で活躍している。強烈な個性を持つほかのキャラクターたちと比べると平凡感が否めないが、実は彼は、シリーズを通して“大器晩成型”の成長を遂げることでも有名なのである。
それが顕著に見られたのは、2009年に発売された『イナズマイレブン2 脅威の侵略者』での活躍だ。
目金のレベルを99まで上げることで、“ゴッドブレイク”なる大技を会得することができるのだが、なんとこの技、雷門中のライバルとして活躍した世宇子中サッカー部キャプテン・亜風炉照美の必殺シュートなのである。
ギリシア神話の女神・アフロディの異名を持つ亜風炉の技だけあって、その見た目はとにかくド派手。背中に生えた金色の翼で宙高く舞い上がり、オーラをまとったボールを相手目掛けて叩き込む凄まじい技となっている。無論、そんな大技が弱いわけもなく、突如目覚めた圧倒的な能力で得点をもぎ取ることができる。
いったいどうやってそんな技を会得したのかは謎だが、アフロディ同様の荘厳なオーラをまとい飛翔する目金の勇姿は必見だ。
長い時間をかけてキャラクターを育てることで、ほかを圧倒するとんでもない能力を身につけるのか、あるいはあまりにも肩透かしな変化を遂げてしまうのか……。作品によってそれぞれ違った変化が見られるのもまた面白い要素だ。作中に仕込まれた驚きの要素からは、作り手の強い遊び心を感じてしまう。