人気ゲーム『逆転裁判』シリーズの人気キャラ・御剣怜侍が主人公の『逆転検事』。かつてニンテンドーDS用ソフトとして発売された本作が、ついに9月6日、Nintendo Switchをはじめとしたマルチプラットフォームで蘇る。
この『逆転検事1&2 御剣セレクション』の発売を心待ちにしていたファンは多いだろう。『逆転裁判』のリメイク作品をきっかけに本シリーズにハマり、すっかり御剣推しになってしまった筆者もそのうちのひとりである。
そこで本記事では、本作の主人公となる天才検事・御剣怜侍の魅力を、『逆転裁判』から『逆転裁判3』までの活躍を中心にあらためて振り返っていこう。今回の発売をきっかけに『逆転』シリーズが気になり始めた人にも楽しんでいただければ嬉しい。
■最初はいけ好かないライバルキャラだったのに…
『逆転裁判』での御剣は、主人公である弁護士・成歩堂龍一のライバルキャラという立ち位置にある。「検事局始まって以来の天才」と言われるほど優秀な人物で、何やら貴族っぽい服装や尊大な態度も相まって、初登場時は「いけ好かないやつ」という印象を強く受けたものだった。
有罪判決を獲得するためには手段を選ばず、常に冷静沈着で理路整然としている御剣。やれやれと言いたげに首を振ったり、立てた指先を左右に振ったり……そうした煽るような動きも、妙にサマになっているのがまた腹立たしかった。一言であらわすなら、とにかく“隙のない男”といったところだろうか。
しかしストーリーが進むごとに、だんだんそのイメージが(いい意味で)崩れていくこととなる。クセ強な証人をうまくコントロールできずに振り回されがちだったり、アドリブに弱いのか動揺するとすぐ態度に出たりと、ポロポロと隙を見せ始めるのだ。
よくよく思い返してみれば、はじめの頃も追い詰められると「と、とりあえず異議を申し立てる!」などと言っていた……。
そのほか、「サルマゲどん」を「サルマゲくん」、「サイコ・ロック」を「さいころ錠」と言うなど、名前の覚え間違い・言い間違いも定番ネタのひとつ。また「ニガテなのだ…セケン話。」と発言しているあたり、不器用な性格でもあるようだ。
こうした意外な人間臭さが垣間見える頃には、「うむ」「~なのだよ」といった堅苦しい口調にも愛嬌があるように思えてくる。初登場時とのギャップもあって、その意外なかわいらしさに惹かれたプレイヤーも多かっただろう。