すみれさんは幽霊!? 青島はどうなった? 新作前に振り返る『踊る大捜査線 THE FINAL』終了時点での主要メンバーの画像
『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 スタンダード・エディション』 [DVD](ポニーキャニオン)

 10月11日の”踊るプロジェクト”最新作となる映画『室井慎次 敗れざる者』の公開まで残すところあとわずか。11月15日には『室井慎次 生き続ける者』の公開も決定しており、ワクワクが止まらない。

 1997年にフジテレビ系ドラマとして放送され、劇場版やスピンオフ作品まで作られる人気シリーズとなった『踊る大捜査線』。今回の映画2部作は、キャリア組としてドラマ第1話から登場していた柳葉敏郎さんが演じる室井慎次が主人公となる作品だが、最後の劇場版から12年が経っているため、織田裕二さん演じる主人公・青島俊作ら、湾岸警察署メンバーの現在の状況を忘れてしまったというも多いのではないだろうか。

 今回は、『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』での主要メンバーの状況を振り返っていく。


※記事には2012年の映画『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』の内容を一部含んでおります。

■警察組織の不正と戦ったキャリア官僚・室井慎次の軌跡

 1998年の映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間!』後の警視降格や、2005年のスピンオフ映画『容疑者 室井慎次』での辞表提出と左遷など、波乱に満ちたキャリアを積みながらも警視監まで上り詰めた室井慎次。同シリーズのもうひとりの主人公とも言えるが、前作『FINAL』ではまたしても乱れた上層部に巻き込まれる。

 6年前の少女誘拐殺人事件で、警察が押収したはずの拳銃を使った誘拐殺人事件が発生した湾岸署管内。鳥飼誠一管理官(小栗旬さん)と上層部は、所轄を使って偽の犯人を逮捕させ失態の隠蔽を図る。しかし、アリバイで隠蔽工作は失敗し、現役警察官の小池茂(小泉孝太郎さん)が犯人の一人だと露見した。

 室井は誤認逮捕に異論を唱えるも、鳥飼の“室井と青島をスケープゴートにする”という提案により、辞任前提で本部長に就任させられてしまう。全て知った上で罪を被せるとは、これまでのシリーズでも群を抜いて酷い。

 だが、真下正義(ユースケ・サンタマリアさん)の息子の誘拐事件が勃発すると、一足先に警察手帳を没収された青島と協力して犯人の行方を突き止めて子どもを保護し、6年前と今回の事件の繋がりを明るみにしていく。

 そして事件を解決した功績を買われた室井は、内部体制の抜本的な改革を図る「警察庁長官官房組織改革審議委員会委員長」に任命され、いよいよ警察組織にメスを入れる立場となった。

 だが、最新作のトレーラーで語られた現在の肩書きは「無職」。その後の室井に何があったのか、映画公開が待たれるばかりだ。

■最後は“うっすら透けて”登場した心優しき女性刑事・恩田すみれ

『FINAL』で、最も衝撃的な展開を迎えたのが、深津絵里さん演じる女性刑事・恩田すみれ。彼女は正義感の強い警察官だったが、映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』で撃たれた際の残留物が体内に残っていたことが発覚し、体の限界から辞職届を提出した。最終階級は巡査部長。彼女の悲しい笑顔に、切なくなった視聴者は多いだろう。 

 そして辞職を決意したすみれは、両親の暮らす大分へ行くためにバスに乗る。しかし、走行中に真下の息子誘拐事件を知ると、犯人を追う青島を助けるためにバスで現場に急行し、そのままバスごと突っ込むというとんでもない行動にでるのだ。横転したバスからフラフラになって出てきたすみれは青島と感動的な会話を交わし、それ以降登場することはなかった。

 バスを運転できることにもびっくりだが、さらに困惑するのは、ガレキの中から出てくるすみれの体がうっすら透けて見える演出がされていたこと。その後に青島と抱き合う際にはすみれの実体はくっきりと映されているが、本広克行監督は過去にインタビューで一連の流れを振り返り、「もしすみれさんが死んでいたらという気持ちで演出した」と語っている。しかも、この裏設定を深津さんにだけ共有していたそうだ。ここから考えると、すみれはすでに死亡している可能性が高いのかもしれない。

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