■数々のオリジナル要素に原作ファンも賛否両論? 『ゴーストバスターズ』
“幽霊”というホラー要素と、“コメディ”を組み合わせた新感覚の洋画作品といえば、1984年にヒットした人気映画『ゴーストバスターズ』だろう。ゴースト退治を生業とする企業・ゴーストバスターズの活躍を描いた作品で、1986年には徳間書店からゲーム化されている。
タイトルこそ同名の『ゴーストバスターズ』であるのだが、一方でその内容は原作映画にかなり改変を加えた、ほぼオリジナルの作品といえる。
プレイヤーは原作同様、街の随所で暴れるゴーストを追い払うために活動していくのだが、全体マップではなぜか原作にも登場する「ゴーストバスターズのロゴ」を操作するという、シュールな絵面が展開される。
さらに目的地を選択した途端、さまざまな妨害を回避しながらゴールへと向かう“道路面”が開始されるなど、幽霊退治に取り掛かるのも一筋縄ではいかないのだ。
“幽霊退治パート”となるのは、苦心して建物にたどり着いたあと。サイドビューのステージを移動しながら、キャラクターを操作して立ちはだかる幽霊たちを追い払っていく。
原作同様の強敵・ゴーザが登場したりと映画準拠の設定もいくらか登場はするものの、武器をお金で購入するスタイルになっていたり、“ゴーストバスターズ”として原作で活躍する4人が揃うシーンが見られないなど、システム、シナリオともにかなりの改変が見受けられる。
原作が大ヒットを記録した人気作品であるだけに、原作とはかけ離れたこれらのオリジナル要素が、ファンの間でも賛否両論を生んだ一作となっているようだ。
今回紹介したゲーム作品たちのように、原作映画に比べるとほぼオリジナルともいえるシステム、設定が採用されたものも多い。ファミコンでどのように原作を表現するのか……当時の開発者たちも、原作再現とゲーム性とのバランスに苦心したのかもしれない。