『メジャーリーグ』や『ランボー』、『ゴーストバスターズ』も…「再現度激低」がむしろ清々しいファミコンの「洋画原作ゲーム」の画像
ファミコンソフト『ゴーストバスターズ』
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 さまざまなタイトルが発売され、プレイヤーたちをおおいに盛り上がらせたファミコン全盛期。なかには、有名な映画作品の世界観をベースとして製作されたタイトルも少なくはない。ファンにとってはたまらないコラボ作品だが、ときには原作とはあまりにも異なった世界観でプレイヤーたちを驚かせたゲームも存在する。

 そこで原作とのギャップで人々を驚かせた、洋画原作のファミコン作品を見ていこう。

■洋画原作でありながらまさかの日本球団参戦? 『メジャーリーグ』

 ファミコン時代には数々の“スポーツ”を題材にした作品が登場しているが、なかでも有名な洋画作品を題材にしたのが、1989年にアイレムより発売された『メジャーリーグ』だ。

 本作は同年に公開されたコメディ映画をベースとした作品で、弱小球団クリーブランド・インディアンズが勝つために奔走していく野球映画が原作となっている。個性的な登場人物たちが、笑いあり、熱さありの名試合を繰り広げる人気作品で、のちに数々の続編も公開されることとなった。

 そんな映画のタイトルをそのまま受け継いだ本作だが、その一方で原作映画との接点はかなり薄めだ。一応、タイトルに使われているフォントは当時公開された映画と同様のものを用いてはいるが、設定や世界観にはかなりの差異が見られる。

 そもそも、映画の主役球団として活躍するクリーブランド・インディアンズは「クリームサンド・イーンデヤンス」に改名されており、選手も映画版とは異なった名前のキャラクターばかり。しかも日本プロ野球のセ・リーグ6球団まで登場したりと、なかなか混沌とした(!?)ラインナップとなっているのだ。

 全体の作りは一般的な野球ゲームのそれで、操作方法も当時有名だった『ファミスタ』にかなり近いものだった。

 当時はまだメジャーリーグ自体、日本で馴染みが薄かったため、少しでも知名度の高い球団を投入しようという試みだったのかもしれないが、それゆえに映画版とは異なるオリジナルの世界観が生まれてしまったのだろう。

 ストーリーモードなどもとくに存在していないため、あくまで映画『メジャーリーグ』の世界観をベースとした野球対戦ゲームとなっていた。原作映画のような“弱小球団の成り上がりストーリー”を期待すると、少し肩透かしを食ってしまう一作かもしれない。

■最後にぶっ放すのは特大級の“怒り”!? 『ランボー』

 洋画には数多くの人気アクション作品が存在しているが、激しいアクションシーンと熱い展開で今もなお多くのファンを魅了しているシリーズと言えば、シルヴェスター・スタローンさん主演の『ランボー』シリーズが挙げられる。

 本作はスタローンさんの代表作の一つとなっている伝説的な作品で、ベトナム帰還兵・ランボーがその高い戦闘能力を駆使し、数々の強敵たちと激闘を繰り広げていくストーリーだ。

 そんな大人気作品をベースとしているファミコンゲームが、1987年にパック・イン・ビデオ(現:マーベラス)より『ランボー』のタイトルで発売されている。

 原作映画同様、主人公・ランボーを操作しながらステージを進むアクションゲームとなっており、捕虜を救うために単身ジャングルに乗り込むシチュエーションや、「男の怒りが爆発する地獄のバトルゲーム」というキャッチフレーズからは、原作ならではの熱さが伝わってくる。

 さまざまな武器を駆使し、敵を倒すことで貯まる“怒り”によりレベルアップしながらステージ踏破を目指す……のだが、後半になるにつれどこかシュールな表現が目立つのも、本作ならではだろう。

 たとえば、登場するゴリラ、ロボットといったオリジナリティ溢れる敵キャラなどは序の口で、なぜか中ボスにダメージを与えると相手の顔が大きくなったりと、ファンが予想だにしなかった演出が飛び出しはじめる。

 極めつけが、ラスボス撃破後の演出だ。原作通り、ランボーは自身を裏切った味方の基地に帰還し暴れまわるのだが、ゲームではマシンガンではなく、なぜか「怒」の文字そのものを放ち、相手を攻撃していく。しかもこの「怒」文字、喰らった相手がなぜかカエルに変化してしまうという、ファンシーな演出が起用されている。

 ラストに待ち受けていたファンタジーチックな展開に、度肝を抜かれてしまったファンも多いのではないだろうか。

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